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園児バス置き去り死 前園長に禁錮1年4月の実刑判決 静岡地裁

毎日新聞 / 2024年7月4日 11時4分

亡くなった園児が通っていた川崎幼稚園=牧之原市静波で2022年9月6日午前11時38分、皆川真仁撮影

 静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん(当時3歳)を送迎バスに取り残し熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた前園長、増田立義被告(74)に対し、静岡地裁(国井恒志裁判長)は4日、禁錮1年4月(求刑・禁錮2年6月)の判決を言い渡した。

 同罪に問われた元クラス担任、西原亜子被告(48)は禁錮1年、執行猶予3年(求刑・禁錮1年)とした。

 起訴状などによると、増田被告は同年9月5日午前8時50分ごろ、自身が運転するバスに千奈ちゃんら園児6人を乗せて同園に到着。その際、降車確認を十分に行わず、千奈ちゃんを施錠した車内に5時間以上取り残し、熱中症で死亡させた。西原被告は、教室に千奈ちゃんがいないことに気づきながら無断欠席か遅刻と思い込み、保護者への確認をしなかったとされる。

 これまでの公判では、被害者参加制度を利用して千奈ちゃんの両親が意見陳述した。父親(40)は「子どもの命を預かる身としてあるまじき行為。過去の判例よりも重い実刑判決を望みます」と訴え、母親は「生きがいや未来、希望を失った。千奈を返してほしい」と声を震わせた。

 一方、両被告は起訴内容を認め、増田被告は「一生償っていきたい」、西原被告は「私の責任であり、本当に申し訳ありません」とそれぞれ謝罪した。

 検察側は論告で「灼熱(しゃくねつ)のバスの中に1人で取り残され、懸命に生きようとした。その肉体的苦痛や絶望感は想像を絶する」と指摘し、軽率な過失で「最も重視すべき園児の安全をないがしろにした」と主張。弁護側は「責任を認め、真摯(しんし)に反省している」として、執行猶予と寛大な判決を求めていた。【丘絢太】

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