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難民認定「めっちゃ、ありがとうございます」 難しい危険の証明

毎日新聞 / 2024年7月4日 19時19分

判決後の記者会見で、代理人の松本亜土弁護士と抱き合い喜ぶアフリカ出身の30代男性(右)=大阪市北区で2024年7月4日午後2時43分、土田暁彦撮影

 同性愛を理由に迫害の恐れがあるとして、日本に逃れたアフリカ出身の30代男性が難民認定を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は4日、不認定とした国の処分を取り消し、男性を難民と認めた。

 「気持ちが舞い上がっていくような気がした。とてもハッピーです」。原告の男性は大阪市内で記者会見に臨み、喜びを語った。日本語で「めっちゃ、ありがとうございます」と支援者への感謝も述べた。

 母国での迫害から逃れようと、日本に身を寄せた男性を待っていたのは厳しい現実だった。一時的に入管施設への収容を解かれる「仮放免」になったが、就労は認められず、健康保険にも加入できない。県外移動には入管の許可が必要で、不自由な生活を送る。

 6月には改正入管法が施行され、難民認定申請中でも3回目以降の申請なら、国は強制送還できるようになった。2回目を申請中の男性も今後の成り行き次第では送還される可能性が拭えず、「日本で死ぬか、投獄された方がましだ」と悲痛な思いを訴えていた。

 出入国在留管理庁によると、同性愛への迫害を理由とする難民認定は2018年以降、少なくとも6件ある。母国で警察に3カ月間拘束されて暴行を受けたり、親族から発砲されたりしたという。

 難民認定を受けるには、母国で迫害を受ける現実的な危険性を証明できるかがポイントとされる。男性の代理人を務める松本亜土(あど)弁護士(大阪弁護士会)は「逃れてきた人は出国を急ぐので、(認定に必要な)証拠を持っておらず、日本で集めることも難しい」と指摘する。

 判決を待つ法廷では、手が震えていたという男性。憂鬱な気持ちは判決を聞いて一変し、「仕事に就いて、この国(日本)で生きていきたい」と前を見据えた。【塩路佳子】

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