「色彩の魔術師」高田賢三さん、没後初の大規模展覧会 6日開幕
毎日新聞 / 2024年7月6日 9時0分
ラストショーでも披露されたマリエ。花の刺しゅうが施されたリボンで作っている。(1982~1983秋冬)KENZO PARIS=東京オペラシティアートギャラリーで2024年7月5日午後1時41分、小松やしほ撮影
日本人ファッションデザイナーとしていち早くパリに進出し、「色彩の魔術師」と称された高田賢三さん(1939~2020年)。生涯にわたる創作活動を総覧する没後初の大規模展覧会「髙田賢三 夢をかける」(毎日新聞社ほか主催)が6日、東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで始まる。
高田さんは65年に単身渡仏。70年、後に「KENZO」となるブランドを立ち上げ、国産生地を積極的に取り入れた作品から「木綿の詩人」とも呼ばれた。世界を代表するトップデザイナーとなり、「KENZO」から退いた後も、アテネ・オリンピック日本代表選手団の公式ユニホームをデザインしたり、オペラの衣装を手がけたりするなど、精力的に活動した。
展覧会では、青年期の自画像やデザイン画、ポスターなどの資料によって人物像を浮かび上がらせると共に、70~80年代を中心としたコレクションから作品を紹介。高田さんらしい独特の色遣いや柄の組み合わせを間近で楽しむことができる。
衣装展示では、代名詞として知られる花柄の衣装や、世界各地の民族衣装から着想を得たフォークロア調の作品約80点を展示。さらに、かすりなど木綿生地を用いたワンピースなども紹介し、高田さんの自由な発想と創造性を改めて伝えている。
82年に発表したマリエ(ウエディングドレス)も見どころの一つ。渡仏以降の約20年間で集めたリボンを使った大作で、最後のショーではモデルの山口小夜子さんが着用したことでも知られる。
5日にあった内覧会でキュレーターの福島直さんは「もっとも初期の70年代、それを踏まえて発展させた80年代に焦点を当てて衣装を厳選して展示している。高田さんのクリエーションの変遷と人生を共にご覧いただきたい」と話していた。9月16日まで。【高橋咲子、小松やしほ】
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