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「無念だろう」 安倍元首相銃撃2年 慰霊碑に毎日通い、語りかけ

毎日新聞 / 2024年7月8日 11時53分

安倍晋三元首相の慰霊碑に毎日訪れ、手を合わせる女性=奈良市で2024年7月1日午後5時28分、木谷郁佳撮影

 「安倍ちゃん、悔しいやろうな。残念やったな」

 奈良市川上町にある三笠霊苑の一角には安倍晋三元首相の慰霊碑がある。近くに住む女性(79)が小さな声で毎日語りかけている。

 慰霊碑は2023年7月、自民党奈良県連の有志らが設置した。山のような形をした石碑に安倍氏が生前に好んだ「不動心」との言葉が刻まれている。

 女性は碑が一般公開された頃から、雨の日も風の日も欠かさず通っている。坂道を1人でつえをつき、ゆっくりと上ってきては手を合わせる。その日の新聞の内容やテレビ解説者の話を報告し、最後に経を唱えるのが日課だ。

 10年以上前に病気で首を悪くして体が不自由になった女性。自宅でテレビの国会中継をよく見るようになり、画面に映る安倍氏に親しみを感じるようになった。慰霊碑が自宅近くに建てられたことで「縁を感じた」という。

 霊苑の関係者などによると、この1年間で手を合わせる人が絶えず、海外からやって来る人もいるという。慰霊碑前の献花台には日々、新しい花束が並ぶ。

 慰霊碑の横には安倍氏の功績を刻んだ碑も新たに設けられた。女性は「安倍さんは無念だろう。でも、手を合わせると心が少し軽くなる。歩けるうちは毎日来させてもらいます」と話した。【木谷郁佳】

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