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池袋暴走事故の遺族が講話 心情伝達制度「更生につながる可能性」

毎日新聞 / 2024年7月10日 19時31分

矯正施設の職員らに向けて講話する松永拓也さん=東京都昭島市で2024年7月10日午後3時8分、三上健太郎撮影

 2019年4月に起きた池袋暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)が10日、矯正施設を通じて犯罪被害者や遺族の心情を加害者に伝える「心情伝達制度」に関する法務省の研修に出席し、「加害者の更生や被害者側の心の回復につながる可能性がある」と制度の意義を訴えた。

 制度では、被害者側が、「被害者担当官」に指定された刑務所や少年院の職員に心情を述べて書面化し、矯正施設に入っている加害者に読み上げる形で伝達。加害者がどう受け止めたかを知ることもできる。

「話すことで心救われた」

 研修は東京都昭島市の施設であり、全国の矯正施設の職員ら約140人が参加。松永さんは3月に制度を利用した際、担当官から丁寧にヒアリングをしてもらい、長時間かけて何度も書面を書き直してくれた対応を評価。「話すことで自分の心が救われている感覚があった」と振り返った。

 加害者から誠意のある回答を得られ「有効な制度」と感じたというが、加害者の更生の状況によっては被害者側が傷つくことも想定されるとして心のケアの必要性を指摘した。職員らの心理的な負担にも触れ、「社会全体の利益につながる制度。大変だと思うが、被害者や遺族、加害者の力になってくれるとうれしい」と講話を結んだ。

 法務省によると、23年12月の制度開始から半年間で申し出を受理したのは59件。うち50件で被害者側の聞き取りを終え、42件が加害者に伝えられた。申し込みは全国の矯正施設で受け付けている。【三上健太郎】

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