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北九州・旦過市場2回目の火災 火元の元飲食店経営者に有罪判決

毎日新聞 / 2024年7月11日 13時43分

2度目の大規模火災で激しく燃える旦過市場一帯=北九州市小倉北区で2022年8月10日、平川義之撮影

 北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場一帯で2022年8月に起きた2度目の大規模火災で、業務上失火罪に問われた元飲食店経営の女性被告(63)に対し、福岡地裁小倉支部は11日、禁錮2年、執行猶予4年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。渡部五郎裁判長は「火気を取り扱う者の基本的な注意義務に違反するもので、過失の程度は重い」と批判した。弁護側は控訴しない方針。

 判決によると、被告は22年8月10日午後8時25分ごろ、使用済み食用油を処理するため、調理場でフライパンに油処理剤を入れてガスコンロで加熱。他の作業に気を取られてその場を離れ、同40分ごろ発火させ、隣接する建物に燃え移らせて計29棟を全焼または一部焼損させた。焼損床面積は約3324平方メートルに上った。

 渡部裁判長は「周囲の店舗や家屋が軒並み焼損して多数の住民の生命、身体、財産への危険を発生させたほか、被害に遭った多数の店舗が廃業や移転を余儀なくされるなど甚大な被害が生じた」と指摘。周囲に木造の建物が密集するなど火災が広がりやすい状況にあり、被害拡大に影響した可能性は否定しがたいとしながらも「木造建物の密集地区で飲食店を営む者として、火気の使用に一層の注意が求められており、刑事責任を大幅に減じる事情には当たらない」と述べた。

 一方、被告が起訴内容を認めて反省の弁を述べているほか、被災者らによる「旦過地区復旧対策会議」(既に解散)に100万円を寄付しているなど酌むべき事情もあるとして、執行猶予が相当と判断した。

 公判で検察側は、周辺店舗などの被害が約6億円に上ったことを明らかにし「被害結果は甚大で刑事責任は重い」と主張。弁護側は重大な被害が発生した要因として、市場一帯にトタン屋根で覆われた古い木造建物が密集し、構造的な問題があったなどと訴えて執行猶予付き判決を求めていた。【井土映美】

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