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米どころ長野・木島平発のクラフトビール コクと飲みやすさに自信

毎日新聞 / 2024年7月12日 16時23分

村特産のコシヒカリを使ったビールを造った荒井克人さん(右)と米を提供した小池雅章さん=長野県木島平村で2024年7月11日午後1時57分、鈴木英世撮影

 米どころとして高い評価を受けている長野県木島平村のコシヒカリを使ったクラフトビールが誕生した。「緑豊かな村を知ってもらいたい」との思いが込められ、米由来の飲みやすさが特徴で「ごくごく飲める」という。

 木島平村は千曲川やその支流が流れ、豊かな水に恵まれて稲作が盛ん。「お米のオリンピック」と呼ばれる「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で何度も金賞を獲得するなどおいしい米の産地として知られている。

 ビール造りのきっかけは、自然環境調査などを行う「ラポーザ」(長野市)の荒井克人代表(44)が2010年から、絶滅危惧種の猛禽(もうきん)類、サシバの調査を村で行ったことだ。「米作りが盛んだからこそサシバが生息している」と支援方法を検討。同社がクラフトビール醸造所の開設を進めていたことから、米を使った「KIJIMA米米Ale」醸造のアイデアが生まれた。瓶のラベルには、村のシンボルの高社山を背に、水田の広がる風景を飛び回るサシバを描いた。

 ビール醸造で麦芽、ホップ以外の原料を使う場合、発酵工程の直前に麦汁に入れることが多い。だが「米を有効活用したい」と、麦汁の元となる麦芽の3割を米に置き換えた。ビール酵母のほかに日本酒に使われる米こうじも使い、コクも増している。

 米は、米生産農家の小池雅章さん(44)が提供した。小池さんは、コシヒカリだけでなく、山恵錦や金紋錦といった酒米も生産しているが、自分の造った米がビールに使われるのは初めて。「ビール好き」というだけに「自分の米が使われるのはうれしい。いろんなところで飲んでもらい、村を知ってもらえたら」と期待を寄せる。

 同社は今後も村由来の原材料を使ったビール造りを進める予定。「平成の名水百選」に選ばれた「龍興寺清水」の使用や、かつて村で育てられていたというホップの復活などを考えている。荒井さんは「ビール造りを村の産業にしていければ」と語った。今回醸造した約400リットルは他社に生産を委託したが、同社の醸造所「長野ブルワリー」の始動後は自社で生産する。

 23日から村内の2酒店と道の駅「ファームス木島平」で、瓶ビール(330ミリリットル)計50本を1本800円前後で販売予定。8月10日に木島平村のケヤキの森公園で行われる夏祭りでは生ビールの販売も予定している。醸造を委託したマリカブルーイングのクラフトビールカフェ(長野市)でも楽しめる。【鈴木英世】

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