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かんぽ報道問題の控訴審 NHK側「1審判決、事実に反する」

毎日新聞 / 2024年7月17日 20時41分

控訴審の第1回口頭弁論後に記者会見に臨む原告団=東京・霞が関の司法記者クラブで2024年7月17日、平本絢子撮影

 かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組を巡り、NHK経営委員会が当時の上田良一会長を厳重注意した問題で、市民グループが経営委の議事内容の録音データの開示などをNHKと森下俊三前経営委員長に求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が17日、東京高裁であった。NHKに録音データの開示などを命じた1審の東京地裁判決に対し、NHKは控訴理由書で「録音データは経営委の一般的な取り扱いに従って削除されている」、森下氏は「誤った事実を前提として録音データの存在を認める判断がなされ、極めて不当」として1審判決の取り消しと請求の棄却を求めた。

 NHKは控訴理由書で、録音データは存在すると認定した1審判決を「事実に反する」と批判。準備書面では、録音データの作成から消去までの過程を説明し、データは議事録の草案を作る過程で複製されるなどしたが、いずれも消去されたと主張した。森下氏も控訴理由書で「録音データの存在に関する立証責任を(自分たちに)事実上転嫁し、明らかに不当」などと1審判決を批判した。

 一方、閉廷後の記者会見で、原告団代理人の沢藤大河弁護士は「録音データを(いつ誰が)具体的に消したかという話が一切出てこない」などと非難した。【平本絢子、井上知大】

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