東海道新幹線の運休で25万人に影響 23日始発から再開目指す
毎日新聞 / 2024年7月22日 22時48分
22日午前3時40分ごろ、愛知県蒲郡市の東海道新幹線豊橋―三河安城間の上り線で、線路のメンテナンス作業をしていた2台の保守用車両が衝突し、いずれも脱線した。復旧作業は同日午後10時すぎまでかかり、始発から浜松―名古屋間の上下線が終日運転取りやめとなった。23日始発からの再開を目指すとしている。
JR東海によると、レール下に敷かれる砂利をまく砕石運搬散布車(9両)が、合流するために待機していたマルチプルタイタンパと呼ばれる砂利を均一に押し固める車両に衝突。散布車をけん引するモーターカーとマルチプルタイタンパの一部の車軸が脱線した。
同社によると、衝突した散布車には自動ブレーキが搭載されていたが、作動しなかった。作業員が手動でブレーキをかけたが、うまく減速せずに衝突。現場は勾配が急な場所でブレーキをかけないと速度が上がる状況にあり、衝突した時の速度は時速40キロだったという。散布車の運転手が首の骨を折る重傷、作業員は打撲による軽傷。
衝突した際に油が漏れ、線路の枕木に付着。現場では早朝から、数百人規模で復旧作業に当たり、ショベルカーを使って油が付着した枕木を交換。クレーン車などで脱線車両を車輪がついた台車に載せ、別の保守用車両で豊橋駅の車両基地まで搬送した。
22日夜に記者会見したJR東海の川越洋施設部長らは「始発より多くの列車の遅延を発生させ、おわび申し上げる」と陳謝した。
この事故の影響で上り165本、下り163本の計328本が運休し、計約25万人に影響が出た。全日空は22日午後、羽田空港と大阪(伊丹)空港の間で臨時便4便を運航。日本航空も同区間で臨時便1便、通常よりも座席数が多い機体を2便運航した。
JR東海によると、東海道新幹線の保守用車両の脱線事故は2015年12月に静岡県で起きている。【真貝恒平、春増翔太、深津誠】
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