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投資詐欺拠点を家宅捜索 被害総額10億円、80人関与か 大阪府警

毎日新聞 / 2024年7月23日 21時5分

投資詐欺グループの拠点から押収した資料を運び出す捜査関係者ら=大阪市西区で2024年7月23日午後7時8分、滝川大貴撮影

 投資への助言名目で現金をだまし取ったとして、大阪府警は23日、二つの詐欺グループの拠点を一斉に家宅捜索した。グループは投資でもうかる方法があるとSNS(ネット交流サービス)で持ちかけて現金を詐取していたとされ、府警は被害総額が10億円近くに上るとみている。グループには最大約80人が関わっていたとみており、容疑が固まったメンバーを逮捕して組織の実態解明を進める。逮捕者は数十人になる可能性があるという。

 二つのグループは「バイナリーオプション」と呼ばれる金融取引への投資を呼び掛けていたとされる。為替相場が上がるか下がるかを予測し、当たれば一定額を受け取り、外れれば投資額を失う仕組み。グループはSNSで「確実にもうかる方法がある」などとうそを言い、誘いに応じた人から情報提供料などの名目で現金をだまし取った疑いが持たれている。

 府警によると、このうち一つのグループは2024年2~3月、SNSで愛知県の20代女性に「バイナリーオプションで講師の言うとおりにすればもうけられる」などと持ちかけ、指導料や商材購入費として約90万円を指定の金融口座に振り込ませたとされる。グループのメンバーは20人程度とみられ、府警は23日午後7時すぎまでに、職業不詳、島内大起容疑者(40)=大阪市浪速区=ら8人を詐欺容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。

 もう一つのグループは60人程度が関わっていたとみられ、24年1月に30代の女性に「バイナリーオプションの勝率が上がる方法がある」などと言い、約237万円を振り込ませた疑いがある。府警はこのグループについても、関与が裏付けられたメンバーを逮捕する方針だ。

 府警はこの日の家宅捜索でスマートフォン約1830台とパソコン約60台を押収。一部の拠点からは詐欺のマニュアルも見つかった。二つのグループの手口が酷似していることから、グループ間で指示役の存在やノウハウの共有がなかったかも調べる。

 府警によると、二つのグループは大阪市内にある四つの民間ビルで複数のフロアを借りて拠点にしていた。SNS型投資詐欺を巡る強制捜査としては過去最大規模で、府警は本部の刑事部や各警察署から捜査員計約470人を集めて態勢を組んだ。

 投資ブームの過熱を受け、警察庁はSNS型投資詐欺に関する集計を23年に初めて実施した。この年の認知件数は2271件、被害額は計約277億円に上った。24年も3月までで1700件、約219億円の被害が確認されている。

 深刻な被害状況を懸念した警察庁は3月、SNS型投資詐欺とロマンス詐欺について、部門横断型のプロジェクトチームを設置するなどして対策を強化するよう各都道府県警に指示していた。【岩本一希、川地隆史】

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