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「こんなやつに…」と思われたい 詐欺犯を警官が熱演、被害防止

毎日新聞 / 2024年7月24日 9時30分

劇ではスマホから送信する内容を話し、分かりやすく詐欺の手口を伝えた2人の伊賀署員=伊賀市役所で、大西康裕撮影

 投資詐欺、ロマンス詐欺の手口を劇で伝え、被害を防ごうと三重県警伊賀署の生活安全課員3人が結成した「伊賀ポリスターズ」の旗揚げ公演が22日、伊賀市役所の会議室であった。背景に全国で多発するSNS型の両詐欺がある。今後は老人クラブやデイサービス施設などに出向いて演じる。【大西康裕】

 初披露の場は介護支援専門員(ケアマネジャー)ら約70人が参加した居宅介護支援事業所向け研修会だった。高齢者らと接するケアマネジャーを通して詐欺被害を防ぐ狙い。半年で約70件の防犯講話をした同課の三上耕太郎警部補は「話だけでは伝わりにくいところがある」と劇団結成の理由を説明する。

 この日は三上さんがナレーション、関和大輔巡査長が犯人役、中嶋賢太朗巡査部長が被害者役を演じた。最初は投資詐欺。犯人と被害者のやり取りはスマートフォンのメッセージ交換。特徴的な着信音が何度も鳴った。まずいきなり被害者のスマホに投資により資産を増やすというグループへの招待が届く。テレビでよく見る経済評論家の名がグループに入っており、信用した被害者がダウンロードしたアプリを操作してアプリにある口座に入金。アプリでは資産が増えたように見えた。3カ月後、アプリを操作して引き出し手続きをしてから実際にATM(現金自動受払機)に行って記帳すると1円も入っておらず、スマホでのやり取りもできなくなっていた――というストーリー。

 続いて2人はロマンス詐欺のやり取りも演じた。関和さんはどちらも憎々しげに演じ、だまされた中嶋さんが詐欺と気づいた時のがっくり感は痛々しかった。関和さんは「こんなやつにだまされたくないと思ってほしかった」と話した。

 劇が終わると三上さんは投資詐欺は平均被害額が1000万円を超え、被害の回復が困難な実態を述べ、「『必ずもうかる』『あなただけ』の言葉には注意。投資先や投資アプリは金融庁やインターネットで本物がどうか調べられる」と解説した。

 伊賀署によると、管内で1月から7月22日までにSNS型の投資・ロマンス詐欺は3件の発生を認知。7月に入って認知した1件は被害額が約1830万円だった。残りの2件の被害額は合わせて約330万円。一方、特殊詐欺も続発しており、同署は7月だけで3件の被害を認知。警察署員や検事などと名乗る人物からの電話が続けて入ってだまされ、3件合わせた被害金額は約2260万円にのぼっている。

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