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内視鏡洗浄器と消毒液を抱き合わせ販売 公取委が排除措置命令

毎日新聞 / 2024年7月26日 15時1分

公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 内視鏡洗浄器と消毒液を「抱き合わせ販売」したとして、公正取引委員会は26日、医療機器販売会社「ASP Japan」(東京都港区)の独占禁止法違反(不公正な取引方法)を認定し、行為の取りやめと再発防止を求める排除措置命令を出した。

 ASP Japanは米国に拠点を置く「ASP」の日本法人。2019年に米医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)」から、医療機関で使用される内視鏡洗浄器の販売事業を継承した。

 公取委によると、ASPは委託製造した内視鏡洗浄器にバーコードリーダーを取り付け、自社製消毒液の二次元コードを読み込まなければ洗浄機能が作動しないように設定。機器納入先の医療機関に対し、自社製より2~3割安価な他社製の後発品(ジェネリック医薬品)の消毒液を使用するのを妨げていた。ジェネリック医薬品の排除を目的とする独禁法違反の認定は初めてという。

 公取委は今回、こうした行為を始めたのがJ&Jであることも指摘した。

 J&Jの消毒液は13年に特許が切れ、これに伴い、他社が安価な後発品の消毒液を発売。J&Jは自社製品の売り上げを確保するため、他社の製品を使えないよう内視鏡洗浄器の仕様を変更した。ただJ&Jに対する行政処分については、事業をASPに譲渡していることから見送られた。

 ASPは排除措置命令を不服として、「同意できず、取り消しを求める法的手続きを含めて検討していく」とコメントした。

 商品やサービスを販売する際に他の商品やサービスを一緒に購入させる抱き合わせ販売の認定は26年ぶり。1998年には米マイクロソフトが表計算ソフト「エクセル」と日本語ワープロソフト「ワード」を抱き合わせ販売し、競合するワープロソフト「一太郎」のシェアを奪ったと認定された。【渡辺暢】

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