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広島原爆の日 集会にパレスチナがオンライン参加 市民が働きかけ

毎日新聞 / 2024年7月27日 13時30分

ワリード・シアム大使=駐日パレスチナ常駐総代表部提供

 広島原爆の日(8月6日)の平和記念式典を巡り、広島市はパレスチナ自治区ガザ地区に侵攻するイスラエルを招く一方、日本が国家承認していないことを理由にパレスチナを招待していない。そこで市民有志が駐日パレスチナ常駐総代表部に働きかけ、同日夜に平和記念公園(広島市中区)で開かれる集会に、ワリード・シアム大使がオンラインで参加することになった。

 集会は、ガザ侵攻への抗議活動を続ける市民が企画。パレスチナとの連帯や停戦、虐殺中止などを訴える音楽イベントとして、原爆ドーム対岸付近で午後7時半から開く。

 当日は海外にいてオンラインで講演する予定のシアム大使は招待に感謝し、「パレスチナ、特にガザで続いている残虐行為に目を向けてほしい。私たちは世界と共有すべき平和のメッセージを持っている」としている。

 広島市は近年、各国の駐日大使らを紛争の有無にかかわらず招いてきたが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年以降はロシアと同盟国のベラルーシの招待を見送っている。

 一方、市はイスラエルには招待状を送った。これに対し、パレスチナ常駐総代表部は7月9日、X(ツイッター)の公式アカウントで「破壊の被害者として知られ、平和を訴える広島市が大量虐殺、民族浄化、占領が続くパレスチナを招待しないのは衝撃的です。この決定はダブルスタンダード(二重基準)です」と批判した。

 同じ被爆地の長崎市は平和祈念式典(8月9日)へのイスラエルの招待を保留し、即時停戦を求める書簡を送った。パレスチナは例年通り招待し、代表部によると、1等参事官が式典に出席、市内で開かれる市民集会にも参加するという。ロシアとベラルーシは招待を見送った。

 広島市は来年に向けて招待基準の見直しを検討するとしている。核軍縮問題に詳しい黒澤満・大阪大名誉教授は「核兵器は人類共通の安全保障の問題であり、式典に参加したいところには来てもらえばいい。まずは現地を訪れて被爆の実相を知ることが重要だ」と話した。【矢追健介】

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