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端緒は「内部告発」も SNS投資詐欺の拠点に多数の「打ち子」

毎日新聞 / 2024年7月29日 11時31分

投資詐欺グループが拠点としていたビルの一室=大阪市中央区で2024年7月27日午後4時4分、川地隆史撮影

 大阪府警が二つのグループを摘発したSNS型投資詐欺事件で、複数の不審情報や「内部告発」が捜査を始める端緒だったことが明らかになった。グループの拠点になっていたビルの内部は異様な光景が広がっていた。

 「高級ブランドの服を着た大勢の若者が出入りし、日中はカーテンで閉め切られているビルの一室がある」

 こんな証言が最初に寄せられたのは約10カ月前の2023年10月ごろだった。

 現場は大阪市中央区本町橋にある10階建てビルの一室。大阪を代表するオフィス街の一角で、府警本部からわずか約1キロの場所だった。

 府警特殊詐欺捜査課によると、セカンドバッグを持って出てきた集団が近くの現金自動受払機(ATM)で多額の現金を引き出しているほか、室内には多数の電話機が置かれているという情報もあった。

 この情報を基に割り出した別のビルの一室から捨てられたごみを調べたところ、詐欺マニュアルのような書類が見つかったという。別の拠点ビルの部屋では石油製品販売業者の看板がかけられ、偽装工作も確認された。

スマホ1800台超押収

 今年4月には、投資詐欺グループの関係者とされる人物からも情報が提供された。大阪市内の警察署に現れたこの人物は「知り合いが詐欺をしている」と打ち明けた。

 府警が捜査を進めたところ、一連の事件には二つのグループが関与し、市内4カ所のビルが拠点になっていることが判明。470人態勢で一斉に捜索し、1800台超のスマートフォンや約60台のパソコン、勧誘マニュアルなどを押収した。

 各ビルの部屋には長机や椅子が並べられ、机の上には大量のスマホが並べられていた。メンバーの多くがSNSで虚偽の投資情報を打ち込んで送る「打ち子」だったとみられ、府警は1人が複数のスマホを操作していたとみている。

 投資詐欺グループは「えみ」や「rika」などとSNSで名乗って投資の講師になりすまし、不特定多数のSNSをフォローし、返事などがあった人に投資を持ちかけていた疑いがある。

 府警は今月23~24日、為替相場の上下動を予想する金融商品「バイナリーオプション」を巡り、愛知県の20代女性から商材購入費の名目で現金90万円を詐取するなどしたとして19~45歳の男女90人を詐欺容疑などで逮捕している。【岩本一希、川地隆史】

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