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「もうあの間違いを味わえない」 SNSに「177」を惜しむ声

毎日新聞 / 2024年7月29日 10時0分

ダイヤル式の黒電話。番号では1番をダイヤルするのが「最短」だ=2019年6月15日、森園道子撮影

 「117、177、どっちがどっちだっけ?」

 そんな昔懐かしい悩みも過去のものとなりそうだ。

 NTT東日本とNTT西日本は、電話で天気予報が聞けるサービス「177」を2025年3月末に終了すると発表した。電話番号を調べられる番号案内サービス「104」も26年3月末の終了を発表しており、3桁番号サービスが相次いで消えゆく状況に、SNS(ネット交流サービス)上では時代の変化と受け止めるとともに、懐かしむ声も上がっている。

 サービス終了はいずれも利用数の大幅な減少が理由で、「177」の終了は26日に、「104」は19日に発表された。話し中かどうかを調べる「114」も23年末で既にサービスが終了している。

 X(ツイッター)には、「時代の変化だね」との受け止めや「なんだろうな この寂しさ 昭和は静かに消えていく…」と懐かしむ声があった。

 「177」は1955年から運用が始まり長年親しまれてきたサービス。「寂しいけど 70年間継続してきたことに驚きました」「今までお疲れさま」とねぎらいの言葉も見られた。

 懐かしむ声の中には、同世代の共感を呼ぶ思い出もつづられていた。

 「177」では、調べたい地域の市外局番の後に「177」をつけて発信することで、特定の地域の天気予報を知ることができた。「いろんな地域の天気予報を聞いてたら、月の通話料がとんでもないことに」と振り返る投稿もあった。

 「177」で受話器から流れる天気予報を聞いているのに、女性と通話しているふりをして強がる男性の心情を歌った、歌手の野口五郎さんの曲「ダイヤル177」(81年発表)を懐かしむ投稿もあった。

 また、時刻を確認できる時報の「117」と混同しやすいことから、「時報を聞こうとして天気予報が流れるあの絶望がもう味わえなくなるなんて」「遠足の前日に天気予報を聞こうとしてしょっちゅう時報を聞いていた」といったエピソードも散見された。

移り変わる3桁番号

 だが、瞬時にスマホでなんでも調べられる現代。「今の人はそもそも知らない」と冷めた投稿もあった。

 177や104などの「3桁番号」の歴史は意外と古い。総務省やKDDIのウェブサイトによると、1926年に電話を取り次ぐ交換手の必要の無い自動交換方式の電話が導入され、ダイヤル式の電話が普及した。

 ダイヤル式でも簡単にかけられる桁数の短い3桁番号の導入が始まった。まず消防用の緊急電話番号「112」が制定されたが、「111」へ誤発信が相次ぐなどしたことから翌年に「119」に変更された。

 こうして、「1XY番」と呼ばれる1から始まる3桁の番号は増えていった。

 95年の阪神大震災では、安否確認の電話が殺到した教訓から、災害用伝言ダイヤルが開発され、「171」が割り当てられた。

 最近では15年、児童虐待の通報や相談を受け付ける「児童相談所全国共通ダイヤル」に「189」(いちはやく)が用いられるようになった。【御園生枝里】

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