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教育、フェミニズム… 出産間近のバービーさんが考える女性の生き方

毎日新聞 / 2024年7月30日 11時0分

お笑いコンビ・フォーリンラブのバービーさん=東京都渋谷区で2024年6月10日、内藤絵美撮影

 お笑いコンビ・フォーリンラブのメンバーで北海道栗山町出身のバービーさん(40)は、この夏に第1子を出産する予定だ。2年半にわたる不妊治療を経験した。薬の副作用がつらく、仕事との両立の難しさを感じたという。「フルスロットルで動けないことがストレスだった」。一方、気づきもあった。生殖医療、フェミニズム、人権――。女性の生き方を考えるきっかけにもなった。

 結婚後、積極的に妊娠、出産をしたい気持ちはなかった。「物事を斜に構えて見てしまう」性格だから。当時の心境を「『結婚したって人生の墓場だろ』みたいに思っていたし、子どもが『産んでくれて、ありがとう』と言うとは限らないですよね」。産まない選択をする人の中に、「立場が弱くても支援が少ないような不条理のある世の中に産んでもかわいそう」という発想の人もいる。「共感できる部分がある」と当時を振り返る。

 ジェンダーについてはずっとモヤモヤとした感情があった。きっかけの一つは東京の大学へ進学し、若さや容姿が「消費の対象」になると感じたことだった。その思いを引きずりながら、お笑い芸人になった。テレビの企画で女性が男性のために料理をつくったり、女性であることをネタに笑いをとったりと、「男性社会のルールや常識をうまく乗りこなすことが役目だと思っていた」。

 女性らしさを求められる社会に対して「ネットで同じように怒っている人を見て『そうだよね、怒りだよね』と。だから、テレビの情報番組に出演したときも、違和感があることは隠さずに言うようになりました」

 そんな中、「妊活」を決意したのは、2021年の結婚発表時のファンからの反響が大きいという。芸能人の結婚はインターネットで「たたかれる」こともある。だが、「すごく祝福してもらえて『純粋な祝福』ってあるんだなって知った」。自分が考えていたよりもよい世の中だと思えるようになったのだという。

 約2年半の不妊治療は、薬の副作用がつらい時期もあったが、視野も広がった。

 少子化で若いうちに乳幼児に接する機会が減り、「子をもつ」ことを想像しにくくなっていると感じる。厚生労働省が6月に発表した23年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)にも思うところがあるという。記録のある1947年以降で最低を更新した。「学校教育に結婚・妊娠・出産という項目を加えた方がいい」と考える。

 結婚、妊娠を通じ、夫ともジェンダーについて語るようになったという。「男らしさ」を求められる男性も生きづらさを抱えていることに、ハッとした。「『凝り固まった架空の男性像』をつくってしまったのかなと反省しているんです」と言う。

 産後は子どもにしっかりと向き合いたいという。男女の役割というような固定観念にとらわれず、我が子に「いろいろな世界を見てほしい」と語った。【今井美津子】

バービーさん

 1984年北海道栗山町生まれ。ワタナベコメディスクールを経て、2007年に相方のハジメさんとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。21年に一般男性と結婚した。20年からは下着ブランド「PEACH JOHN(ピーチ・ジョン)」とコラボした下着を開発。6月に新作が発売された。

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