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四国初の超急速EV充電器が徳島に登場 ハイパワーで課題解決なるか

毎日新聞 / 2024年7月30日 17時57分

充電する際の手順などについてパワーエックス社の担当者から説明を受ける徳島県の後藤田正純知事(左)=同県石井町のテクシード石井工場で2024年7月27日午後2時46分、植松晃一撮影

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を短時間で充電できる超急速EV充電器が、徳島県石井町の食品機械メーカー「テクシード」石井工場に設置された。最大出力150キロワットで、四国4県にある急速EV充電器では最もハイパワー。27日には後藤田正純知事らにも披露され、充電に時間がかかるEVの課題解決に向けて注目が集まっている。【植松晃一】

一般的な「急速EV充電器」の3倍

 工場新設に合わせて設置されたのは、再生可能エネルギーによる電力供給などに取り組むパワーエックス社(東京都)製の超急速EV充電器。二つの充電ポートを備え、出力は各120キロワットに落ちるが2台同時の充電もできる。一般的な「急速EV充電器」の出力は50キロワットほどなので、2台同時充電時でも「超急速」と言える水準だ。

 20キロワット時の駆動用蓄電池を搭載している軽EVの日産「サクラ」なら、10分程度で百数十キロ走行できるほどの電気を充電できる計算で、「急速」と比べるとおおむね半分から3分の1程度の時間で充電できそうだ。充電器は日本の独自規格「CHAdeMO(チャデモ)」で、国内で走行しているEVやPHVの大部分に対応している。

蓄電池から再エネ由来の電気を供給

 また、充電器は近くに設置された大容量の蓄電池(358キロワット時)から電力の供給を受ける。日産サクラの約18台分に相当する大容量の蓄電池は、今秋をめどに工場屋上に設置した太陽光パネル(最大出力計200キロワット)と接続し、再生可能エネルギー由来の電気をためるとともに、工場操業に必要な電力を供給する方針。工場としても、必要な電力を再エネで100%賄ったり、災害時のBCP(事業継続計画)対策としたりするほか、日中に増える工場の電力需要を一部、蓄電池の電気で賄い、電力需要を平準化する「ピークカット」に活用する。

秋から1年間、外部にも無料開放

 テクシードは、エネルギーの使用量を「見える化」したうえで、蓄電池などを活用してエネルギー使用を最適化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)も手がけている。野田憲司会長は、四国でも頻発している再エネの出力制御に触れ「捨てられている電気はもったいない。パワーエックス社と協力してシステムを作り、地球温暖化対策や二酸化炭素(CO2)排出削減に役立てたい」と話す。また、野田氏は2024年11月ごろから1年間、超急速EV充電器を外部にも無償で開放する考え。EVやPHVの充電は充電料や駐車料金といった施設使用料がかかるのが一般的で、同社のサービスは近隣のEVオーナーには朗報となりそうだ。

 27日のお披露目式では、野田氏や後藤田知事らがテープカットで設備の完成を祝い、充電器でEVに充電するデモンストレーションもあった。パワーエックス社の担当者が充電の手順などを説明しているわずかな時間にも、車載蓄電池の充電率が十数%から二十数%に次々アップし、関係者は「超高速」ぶりを実感していた。

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