2400万年前の化石ペンギンは新種 NZで発見、最小級で最古
毎日新聞 / 2024年8月1日 8時0分
北海道足寄町の足寄動物化石博物館は31日、同館と岡山理科大学、ニュージーランドのオタゴ大学の研究チームが、同国の2400万年前の地層から発見された化石ペンギンについて「新種で、最小級のペンギンの中では最古」と突き止めたと発表した。同館館長で研究リーダーの安藤達郎さん(53)は「ペンギンの進化を知る上で重要な化石」と話した。
研究論文は8月1日付の国際学術雑誌に掲載。化石ペンギンは「小さい潜水者」を意味する「パクディプテス」と命名された。体高30~35センチ、体重約1キロとみられ、現在生息している現生ペンギンの中で世界最小のフェアリーペンギンと同程度の大きさという。
今回の化石は1987年にニュージーランドのオタゴ地方で発見され、保管されていたペンギンの翼の骨(上腕骨、尺骨)と大腿(だいたい)骨の計3個。化石を基に肩関節と肘関節の状態などを調べた結果、肩関節は現生ペンギンに近い一方、肘関節は原始的ペンギンに似ていることが分かった。
こうした現代的な肩関節と古いタイプの肘関節を併せ持つ化石ペンギンは例がなく、新種と判明した。現生ペンギンと原始的ペンギンの中間的な特徴があり、両者をつなぐ重要な系統的位置にあるとしている。
最小級のサイズのペンギンは既にフェアリーペンギンなど現生で3種、化石ペンギンで1種が確認され、今回は5種目となる。このサイズの中では最古であることも分かったという。
安藤さんは北大大学院修了後、オタゴ大に留学し、化石ペンギンの研究で博士号を取得した。在学中から「進化を解き明かす鍵になる化石」として今回の化石の研究に着手。2022年から同大の研究者や、岡山理科大の林昭次准教授らと研究チームを組み、本格的に解析を進めた。
6000万年以上前から生息するペンギンは進化の過程に未解明な部分が多く、安藤さんは「翼の構造の解明は特に重要で、現生ペンギンの翼などと比較することで、進化や生態の解明につながる」としている。【鈴木斉】
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