ピュリツァー賞作家ハーシー氏、広島市役所訪問 映画製作に合わせ
毎日新聞 / 2024年8月3日 11時0分
米国人記者で、ピュリツァー賞作家のジョン・ハーシー氏(1914~93年)の被爆地ルポ「ヒロシマ」を題材にした映画が製作されることに合わせ、孫のキャノン・ハーシーさん(47)らが2日、広島市役所を訪れた。松井一実市長に表敬訪問したキャノンさんは「広島は復興や希望を象徴しているまち。作品をからそのことを感じてもらいたい」と語った。
ハーシー氏は46年に従軍記者として広島を訪れ、厳しい情報統制の中、谷本清牧師(09~86年)ら被爆者6人を取材。そのルポは雑誌「ニューヨーカー」に掲載され、反響を呼んだ。
製作される映画は、ハーシー氏と谷本氏の絆を描いた「WHAT DIVIDES US」。やり取りした手紙や日記などを軸に、被爆の実相を暴こうとした記録を再現したヒューマンドラマだ。撮影は米国と日本で行い、25年度中の公開を目指す。
この日は、キャノンさんのほか、谷本さんの長女の近藤紘子さん(79)も市役所を訪問。キャノンさんは「祖父と谷本氏の交流を通し、広島を描いた作品。見た人にいろいろ考えてもらえると思う」と映画に対する思いを語った。松井市長は「素晴らしい作品を作っていただくため、できることは協力したい。国境を越え、若い人たちにも映画を見てもらい、自分たちが何をすべきか感じてほしい」と語った。【広瀬晃子】
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