核廃絶巡り国会議員や被爆者らが討論 厳しい情勢への危機感で一致
毎日新聞 / 2024年8月5日 19時48分
79回目の「原爆の日」を控えた広島市で5日、与野党の国会議員と被爆者、NGO関係者らが集まり、「核兵器廃絶にむけた日本の役割~核の非人道性を想起して」をテーマに討論会を開いた。核廃絶・核軍縮を巡る厳しい情勢への危機感で一致し、2025年3月に米ニューヨークで開かれる第3回核兵器禁止条約締約国会議に、日本政府のオブザーバー参加を求める意見が相次いだ。
核兵器廃絶日本NGO連絡会と「核兵器をなくす日本キャンペーン」の共催で、2020年から毎年8月5日に開かれている。今回は自民、公明、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主、れいわ新選組、教育無償化を実現する会、社民の9党から出席があった。
司会を務めたNGO連絡会の川崎哲・共同代表は「核戦争のリスクはこの数十年で最高レベルにある」とするグテレス国連事務総長の発言を紹介し、「この危機感を共有したい」と述べた。討論会には中満泉・国連事務次長(軍縮担当上級代表)も出席し、過去2回続けて最終文書が採択されなかった核拡散防止条約(NPT)再検討会議について「条約をこれ以上弱体化させるのは利益にならないというのが締約国の共通認識だ」と強調した。
各党からの出席者は冒頭、核廃絶・核軍縮が停滞する状況への懸念を表明し、日本政府が国際的な議論を先導するために、核禁条約締約国会議へのオブザーバー参加を求める声が大勢だった。核被害者の救済や環境修復など、被爆国・日本ならではの役割についても言及があった。
実質的な討議は非公開で、閉会後に記者会見した川崎さんによると、オブザーバー参加について各党の見解は一致しなかったが、参加する場合の意義などについて多面的な議論があった。核抑止の問題については「核兵器の使用を決してさせない」ことを前提とした議論の継続を共通認識としたという。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の和田征子・事務局次長は「政策提言者である国会議員は『ピースメーカー』であるはず。超党派の議員連盟をつくり国会での議論を期待したい」と求めた。【宇城昇、矢追健介、川原聖史】
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