東京23区、7月の熱中症疑い死者123人 6年ぶり100人超
毎日新聞 / 2024年8月6日 14時45分
東京23区内で7月に確認された熱中症疑いの死者が123人(速報値)だったことが、都監察医務院への取材で判明した。2018年以来、6年ぶりに7月の死者が100人を超えた。また、東京消防庁管内で7月に熱中症で救急搬送されたのは4244人(同)で、過去5年間の月別の搬送者数で最多だった23年7月(3502人)を上回った。
都監察医務院によると、死者123人のうち121人は屋内で亡くなった。このうち79人はエアコンを使用しておらず、28人はエアコンがなかった。年代別では80代が最多の44人だった。
東京消防庁防災部の荻島浩二司令補は「屋外はもちろん、日中に外で仕事やスポーツをして熱疲労がたまり、夜に自宅で倒れるケースもある」と指摘。我慢せずにエアコンや扇風機を使う▽こまめに水分と塩分を補給する▽日傘で直射日光を避ける――といった対策を呼び掛けている。
一方、東京消防庁によると、1日当たりの搬送者数は7月18日の梅雨明けから14日連続で100人を超えた。荻島司令補は「今夏は、昨年よりも早い時期から『暑さ指数』が高い状況が続いている」と指摘する。
暑さ指数は熱中症の危険度を示す指標で、気温や湿度、日差しの強さから算出される。28以上31未満は「激しい運動は中止」、31以上は「運動は原則中止」などと5段階に分かれており、33以上が予測される場合は「熱中症警戒アラート」が発令される。
24年に初めて33以上を観測したのは6月24日で、23年より16日早かった。また24年7月に33以上を観測したのは14回(前年同月比9回増)に上った。
熱中症患者の増加により、救急出動も増えている。7月の東京消防庁管内の救急出動は速報値で9万1614件(前年同月比2592件増)となり、統計が残る1936年以降、月間で過去最多となった。7月8日の出動数は3372件で、1日当たりの出動数としては18年7月23日(3382件)に次いで過去2番目に多かった。
119番通報の約2割は緊急性の低い内容といい、東京消防庁は「救急車を呼ぶか迷ったら、救急相談センター(♯7119)への電話や、ホームページに掲載している救急受診ガイドを見てほしい」としている。【朝比奈由佳】
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