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小林製薬が紅こうじ事業から撤退 健康被害の補償受け付けは19日から

毎日新聞 / 2024年8月8日 21時3分

記者会見で頭を下げる(左から)小林製薬の山根聡新社長、小林章浩前社長ら=大阪市中央区で2024年8月8日午後3時33分、加古信志撮影

 紅こうじサプリメントによる健康被害が相次いだ小林製薬は8日、山根聡社長らが大阪市内で記者会見を開き、紅こうじ事業から撤退すると発表した。時期は未定だが、関連製品の製造・販売を取りやめる。健康被害に対する補償については、受け付けを19日から始めると明らかにした。

 今回の健康被害に関して同社が会見を開くのは、3月29日以来約4カ月ぶり。8日付で社長に就任した山根氏は「あってはならない事態を起こしてしまい、痛恨の極みだ。原因究明に傾注し、想像力が足りなかった」と謝罪した。紅こうじ事業からの撤退は、重大な健康被害を引き起こし、継続は困難と判断した。

 補償は「紅麴(こうじ)コレステヘルプ」など3製品の使用者が対象。摂取と症状との間に相応の関連性があるとみられる人に対して、医療費や精神的苦痛に対する慰謝料などを支払う。19日からお客様対応センター(電話0120・663272)で受け付ける。

 社長交代を発表した7月23日にも会見を開いておらず、8日の会見では山根氏に加え、8日付で社長を退いて補償担当の取締役に就いた創業家出身の小林章浩氏に質問が飛んだ。

 創業家以外で初めて社長に就いた山根氏は、同族経営の問題点として「良い時は一枚岩になって強く回るが、回り方が逆になると負の方に回る」と指摘。大株主として影響力が残る創業家との関わり方には「是々非々でやりたい」との考えを示した。

 健康被害の原因は青カビに由来する「プベルル酸」である疑いがある。会見では紅こうじを培養する際に、青カビが混入・増殖した可能性を認めた。小林氏は「体制や教育、設備強化への投資が不十分だった」と述べた。今後、再発防止策を策定する。

 7月23日付で会長を辞任して特別顧問に就いた小林一雅氏を巡っては、月額200万円の報酬が波紋を広げている。山根氏は「新製品の開発マーケティングに貢献したのは事実。取締役会として決定した」と説明した。

 2024年12月期連結業績予想には、関連製品の回収に伴う特別損失40億円を新たに計上。関連損失は計79億円に増えた。連結最終(当期)利益は前期比40・5%減の121億円になるとの予想を発表。通期で減益となれば1999年に上場してから初めてとなる。【妹尾直道】

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