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海に面した高知の病院、入院患者らを上層階へ 想定上回る被害に備え

毎日新聞 / 2024年8月9日 19時58分

非常時に備え、段ボールベッドを組み立てる病院職員=高知市の海辺の杜ホスピタルで2024年8月9日午後2時23分、小林理撮影

 南海トラフ巨大地震への備えを呼び掛ける臨時情報(巨大地震注意)の発表から一夜明けた9日、各地では病院や自治体の職員らが避難の前倒しや備えの確認を急いだ。

普段から3階の病室を使っているが…

 高知市の浦戸湾に面した精神科病院「海辺の杜ホスピタル」(同市長浜、岡田和史院長)では9日朝から、想定を上回る被害に備えて、職員が入院患者を上層階に移動させるなどした。同院は南海トラフ巨大地震の際、ハザードマップで6階建て建物の2階まで浸水すると予測されている。

 病院によると、現在205人いる入院患者は普段から3階以上の病室を使用しているが、車椅子などでの移動が必要な患者を中心に、より安全な上層階の病床に移動してもらった。1週間程度を予定しているという。

 また、職員らが院内に備蓄している段ボールベッドを組み立て、自力移動が可能な患者が上層階に避難した際にすぐ使えるよう準備を整えた。橋田由起子・管理部長は「職員は190人いるが、夜間の当直時は13人になる。夜の地震で一から組み立てるのでは間に合わない」と話した。

 橋田部長は「平時から備えてきたが、警戒度が一段上がり、緊張感を一層高める必要がある」と強調。この日の朝礼では、職員らに自宅の家具の固定や非常用持ち出し袋の準備のほか、通勤途中に被災した場合の避難経路の確認を求めた。病院は断水に備え、緊急時に雨水や井戸水を飲料水として活用できる浄水装置の購入を急ぐという。

品薄の状況も「混乱ないように」自治体要請

 徳島県庁では、後藤田正純知事が記者会見。8日の臨時情報の発表を受けて「避難場所や経路の確認、家具の固定、非常用持ち出し袋の準備など防災対策をしっかり取ってほしい」と呼び掛けた。また、各地でカセットコンロやガスボンベ、飲料水などが品薄になっている状況に触れ、「備蓄品の購入で混乱を起こさぬようお願いしたい。メーカーや流通側にも適切な対応を求めていく」と話した。

 関西広域連合も9日、構成・連携する14自治体の防災部局トップがオンライン会議を開催。各自治体で準備を徹底し、情報共有しながら今後の動向を注視していくことなどを確認した。大阪市は各部局や区役所に災害関連の連絡役を配置、大阪府も24時間態勢で警戒に当たっている。吉村洋文知事は報道陣に「過度に萎縮せず、帰省や旅行も行ったうえで備えを確認することが大切だ。買い占めの必要もない」と述べた。【袴田貴行、小林理、井上英介、藤河匠、戸田紗友莉】

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