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縄文土器との出会いは小学2年 15歳の「研究家」、企画展で講演

毎日新聞 / 2024年8月12日 16時0分

集めた8点の矢じりなどを使った展示について説明する鈴木陽麿さん=2024年7月24日、本橋由紀撮影

 神奈川県小田原市内の小学校に展示されている土器片などを集めた「学校に眠るお宝展」が8月1日から、市郷土文化館で開かれる。この企画展に協力するのが、高校1年生の自称・縄文土器研究家、鈴木陽麿さん(15)だ。関連イベントの郷土研究講座で講演し、遺跡歩きの講師を務める。

 鈴木さんは富士見小2年の時に縄文土器と出会い、「歴史の最も古いところ」に興味を持ったという。当時の担任の教諭から「土器が拾える場所」を教えてもらい、父親と一緒に行くようになった。

 過去に遺跡が発掘された久野、早川、石橋地区などを頻繁に訪問。畑や道路を作るときに地面がかき混ぜられ、表面に現れた石やかけらなどが積まれた場所が狙い目だ。現場で作業をしている人たちから了承を得たうえで土器片などを採集するという。

 小学3年生からは、同館学芸員の土屋健作さん(41)に拾った土器を持参。採集日や場所を記録して保管する方法を教えられた。土器片を見つけると、家に持ち帰り、歯ブラシで丁寧に土を落とす。それを写真に撮り、厚さや大きさを記録、墨で形状を写し取る拓本をして観察し、100円ショップで買ったケースに収める。これまでに土器片600~700個、矢じり10個を集めた。

 縄文土器は模様の違いで年代を判別するが、小学5年の時は早川で1万年前の土器片を拾った。過去に4000~5000年前のものまでしか出ていなかった場所で、土屋さんと一緒に論文にした。現場でよく見ていると違いがわかり、「拾ってという声が聞こえてくる」と鈴木さんは話す。

 久野では全国的にも珍しく県内でも古いとされる5400~5500年前の「両面顔面把手」を見つけた。「変な形で他と違う」と家に持ち帰り土を落とすと顔が現れて驚いた。

 将来は博物館などの学芸員になりたいと考えている鈴木さんは、「拾うのが楽しいし、縄文の生活を想像しながら、集めた土器片を見るのは面白い。模様の意図を考えるのも楽しい」と話した。

 企画展は10月20日までで、市内11小学校の土器など118点を展示する。入場無料。鈴木さんは自身の矢じり8点と黒曜石の標本を出展する。また、9月15日の郷土研究講座「学校に眠る郷土のお宝を発掘!」と来年1月25日の歴史探索会「荻窪の遺跡を歩こう」の講師を務める。いずれも事前申し込みが必要。【本橋由紀】

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