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「教訓生かし法改正を」 袴田さんの姉・秀子さん訴え 埼玉で学習会

毎日新聞 / 2024年8月24日 10時44分

袴田事件の学習会。左奥でマイクを握る男性が加藤英典弁護士、右奥の画面に映る女性が袴田秀子さん=2024年8月21日午後6時過ぎ、埼玉県所沢市小手指町の小手指公民館分館で高木昭午撮影

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)について、厳さんの姉秀子さん(91)と弁護団の加藤英典弁護士(46)が語る学習会が21日、埼玉県所沢市で開かれた。9月26日に言い渡される判決は無罪の公算が大きく、秀子さんは「(袴田事件の教訓を)何らかの形で生かし、再審法の改正などにつなげてほしい」と訴えた。

 集会には市民ら約50人が参加。加藤弁護士が58年間にわたる事件の経緯を説明した。

 事件は66年6月30日に発生し、同年8月に静岡県警が巌さんを逮捕。68年に静岡地裁が死刑判決を出し、80年に最高裁で確定した。

 その後、2回の再審請求を経て、死刑確定から約34年後の2014年3月、同地裁が再審開始を決定。同時に巌さんを釈放した。検察は即時抗告したが、9年後の23年、東京高裁が抗告を棄却した。

 死刑判決の主な根拠は、巌さんが犯行時に着たとされる「5点の衣類」だった。この衣類について地裁は再審開始決定で「捜査機関が捏造(ねつぞう)した疑い」を指摘した。再審公判は昨年10月に始まり、検察は再び死刑を求刑した。判決は無罪の公算が大きいが、検察は控訴できる。

 秀子さんは浜松市からインターネットを通じて集会に参加し、「死刑判決が出た時は巌から『ぼくはシロです』と手紙が来ていて犯人のはずがないと思っていた」「ともかくも58年間闘ってきた。(検察側が持っていた、巌さんに有利な内容の)証拠がなかなか出てこずに苦労した」などとこれまでの心境や再審決定までの経緯を振り返った。

 また、半世紀近く収容されたことによる拘禁症状で意思疎通が難しい巌さんの現状を説明し、「巌は今、何も言わない。治せと言っても治せない。(教訓を)いい方向に生かし、再審開始の法律作りにつなげていただきたい」などと話した。【高木昭午】

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