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「僧坊酒」古文書を基に再現 興福寺で限定販売 酒器付き専用ボトル

毎日新聞 / 2024年9月1日 16時0分

美濃焼の限定ボトルと酒器をアピールする油長酒造の山本長兵衛社長(中央)や興福寺の辻明俊・常如院院主(右)=奈良県庁で2024年8月26日午後3時10分、稲生陽撮影

多聞院日記基に「水端」の第5弾

 興福寺国宝館(奈良市)で1日から、寺の古文書「多聞院日記」などに残る酒造法を参考にした日本酒シリーズ「水端(みづはな)」の最新商品「興福寺多聞院×水端1568」が限定販売される。シリーズ第5弾。寺の別院の地下水を仕込み水とし、日記の記述に従って仕込み、特注した約300リットルの大がめで醸造――とこだわった特別製だ。酒器付きの専用ボトル(500ミリリットル)で1万3200円。

 醸造したのは銘酒「風の森」で知られる「油長酒造」(御所市)。室町~江戸時代の僧侶が書いた多聞院日記には、「酒袋九枚借りる」(1568年4月29日)▽「酒上げ上々に出来」(同5月1日)▽「酒煮させ樽(たる)へ入れる」(同6月23日)――などと、寺の運営資金を稼ぐための「僧坊酒」を熱心に造った記録が残っている。特に原料投入を3回に分けて発酵速度を調整する3段仕込みの記述は日本最古といい、多聞院などの支院で試行錯誤しながら造っていたとみられる。

 油長酒造は2021年以降、多聞院日記や正暦寺(奈良市)の文書に残る記述を基にした酒造りを開始。今回は、僧坊酒を造っていた支院・常如院の辻明俊院主も水くみや醸造に参加し、米の甘さと酸味が感じられるアルコール度数やや高め(17度)の酒に仕上げた。山本長兵衛社長は「多聞院日記には現代の醸造家が知らないことも書かれている。興福寺まで足を運んで味わってほしい」と話している。

 製造は352本限定で、当面は国宝館でのみ販売する。【稲生陽】

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