宝塚宙組トップ・芹香斗亜さんが退団会見 「3作と決めていた」

退団記者会見する宝塚歌劇団宙組トップスターの芹香斗亜さん＝大阪市北区で2024年9月3日午前11時6分、梅田麻衣子撮影

　宝塚歌劇団を2025年4月に退団すると発表した宙（そら）組トップスターの芹香斗亜（せりか・とあ）さんが3日、大阪市内で記者会見を開いた。芹香さんは退団を決意した経緯について「芸の道には明確なゴールがない。トップスターに就任した時に本公演3作品を自分のゴールとして決めた」と語った。

　芹香さんは07年に入団。星組、花組を経て17年から宙組で活躍し、23年6月にトップスターに就任した。

　宙組では23年9月、所属していた劇団員の女性（当時25歳）が死亡。宝塚大劇場で上演中だった芹香さんのトップお披露目公演は開幕2日で中止となった。

　劇団側は24年3月、過重労働と上級生らによるパワハラがあったことを認め、遺族に謝罪。宙組は24年6月、約9カ月ぶりに公演を再開した。

　白いスーツ姿の芹香さんは冒頭、「愛する宝塚で過ごした日々は毎日が学びの連続で、私を大きく成長させてくれた。舞台と自分自身に向き合うことができたのは応援してくださるファンのみなさんのおかげ」とあいさつした。

　公演が再開した時の思いについて「すごく緊張していた記憶しかないが、それ以上に温かい拍手を聞いた。今までの18年で最も幸せで最も温かい空気を感じられた公演だった」と振り返った。劇団員の女性が亡くなったことが退団に影響したかを問われると、「3作というのを心に決めていたので、直接関係があることではない」と述べた。

　退団公演「宝塚110年の恋のうた」「Razzle　Dazzle」は宝塚大劇場で25年1月1日～2月2日、東京宝塚劇場で3月15日～4月27日に上演される。【松室花実】