横田めぐみさん、10月に還暦 同級生らがチャリティーコンサート

チャリティーコンサートの案内＝新潟市で2024年9月3日午後3時35分、中津川甫撮影

　新潟市中央区で1977年11月、下校中に北朝鮮の工作員に拉致された当時市立寄居中1年の横田めぐみさん（行方不明時13歳）が10月5日で60歳を迎える。同級生の会（池田正樹代表）は同日午後2時から新潟市中央区の県民会館で、「横田めぐみさんとの再会を誓うチャリティーコンサート」を開き、早期帰国の実現を訴える。【中津川甫】

　コンサートは2010年からほぼ毎年開催。今年は第1部で花角英世知事や新潟市の中原八一市長、拉致被害者の曽我ひとみさん、めぐみさんの弟哲也さんらが講演した後、同級生と曽我さんによるパネルディスカッションなどを行う予定。

　第2部では同級生のバイオリニスト、吉田直矢さんらが演奏。続いて、めぐみさんが拉致される1年前に同級生たちで合奏した曲「四季より『春』第3楽章」（イタリアの作曲家・ビバルディ）の披露や、同級生による「翼をください」「故郷（ふるさと）」の合唱がある。

　池田さんは「めぐみさんは今年で還暦。年々関心が薄れて集客が大変だが、救出に向け一人でも多くの方に来てほしい」と話す。会場ではめぐみさんの母早紀江さん（88）のビデオメッセージを流すことも計画している。

　早紀江さんは拉致から約1年半後、愛娘を捜し回った新潟の海を油絵で描いた。池田さんはその絵の写真を大切にしており、モデルになった場所に最近出向いたという。

　池田さんは「絵の海の色は悲しい赤で、早紀江さんの言葉にならない心労を強く感じた。めぐみさんが一日も早く帰国できるよう力を尽くしたい」と決意を新たにしている。

　コンサートのチケットは2000円（全席自由）。必要経費を除いて「横田めぐみ基金」に寄付する。問い合わせは池田さん（070・8417・5911）。