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兵庫知事、告発把握後に疑惑の4幹部と対応協議 告発者の特定進める

毎日新聞 / 2024年9月5日 21時21分

記者からの質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事=神戸市中央区で2024年9月5日午後5時15分、木山友里亜撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事(46)がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委)は5日、知事の贈答品受け取り疑惑などへの関与が指摘された原田剛治・産業労働部長らを証人尋問した。原田氏は、知事が告発文の存在を把握した翌日、疑惑を指摘された原田氏を含む県幹部4人と対応を協議したと証言。複数の県職員のメールを調査するなど、告発者やその情報源の特定を進めたと明らかにした。

 一連の問題は元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が3月、パワハラなど七つの疑惑を告発する文書を報道機関や県議に配布したことで発覚した。元局長は4月4日、県の公益通報窓口にも通報したが、県は公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査の結果、「核心部分が事実でなく、誹謗(ひぼう)中傷に当たる」として元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。

 原田氏は証人尋問で、知事のほか疑惑を指摘された片山安孝副知事、小橋浩一総務部長、井ノ本知明・県民生活部長(いずれも肩書は当時)と3月21日、知事室で対応を協議したと証言。「知事から(文書の)出所と事実関係を調べるよう言われた」と述べた。21日夕方には文書を作成した候補として元局長が挙がっていたという。

 原田氏は贈答品の疑惑についても証言した。文書では2023年8月、知事が県内の企業を視察した際、コーヒーメーカーの受け取りを辞退したうえで、原田氏に「みんなが見ている場所で受け取れるはずがない。秘書課に送るよう言っておけ」と指示したとされていた。

 原田氏はこれまで県議会で「県の製品のPRになると思い、自分宛てに送ってもらった。秘書広報室長と相談したが返すことになり、そのまま忘れていた」と答弁。受け取ったコーヒーメーカーとトースター(計約6万円相当)を返却したとしていた。百条委で改めて経緯を問われた原田氏は、3月21日に知事に返却を忘れていたことを申告すると「返却するよう指示したよね」と言われ、3月27日に返したと述べた。

 一方、斎藤知事は原田氏の証人尋問後、神戸市内で報道陣の取材に応じ、「部長が返し忘れたのを知ったのは4月15日ごろ。3月21日に指示した記憶はない」と否定した。

 5日は井ノ本氏も出頭を要請されていたが、体調不良などを理由に欠席した。

 同日午前には、公益通報制度に詳しい奥山俊宏・上智大教授が参考人として出席した。奥山氏は、告発者の特定を含めた内部調査は公益通報者保護法の指針が禁じる「通報者捜し」に当たると指摘。県の対応について「告発を公益通報に該当しないと判断したのは拙速で、知事らのふるまいは公益通報者保護法に違反する」と批判した。

 百条委は6日も開かれ、県政混乱の責任を取るとして7月に辞職した片山元副知事が初めて証言。斎藤知事も2度目の証言に臨む。【幸長由子、藤河匠、中尾卓英】

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