着床前診断の拡大「長い時間かかった」 承認された当事者の思い
毎日新聞 / 2024年9月7日 8時0分
着床前診断の対象が大きく広がった。重い遺伝性の病気の有無を、体外受精した受精卵の段階で調べるもので、日本産科婦人科学会が8月、承認した例を公表した。認められた当事者の受け止め方を聞いた。
遺伝性の目のがん「網膜芽細胞腫」の患者で、着床前診断の申請が承認された大阪市の会社員、野口麻衣子さん(42)。生後半年で網膜芽細胞腫と診断され、右目を摘出し、義眼になった。一方、左目は治療によって視力が保たれ、生活に支障はない。
長男(10)は発症しなかった。だが次男(8)は生後3週間で、両目で腫瘍が大きくなっていることが見つかり、抗がん剤治療が始まった。両目の摘出は免れたが、視野が狭く、視力は0・1未満で矯正はできない。特別支援学級に通い、外出時は野口さんと手をつなぐ必要がある。
第3子を望んでいた野口さんは2018年、着床前診断を日産婦に申請したが「感覚器の障害で、生命予後に関わらない」として不承認になった。野口さんは納得できず再び申請した。これを機に日産婦は着床前診断のルールを見直し、対象拡大につながった。
野口さんは今回、承認されたものの、網膜芽細胞腫との関連が疑われる肝臓がんが最近見つかり、経過観察を続けている。「承認まで長い時間がかかり、人生設計にも影響した。実際に検査を受けて子どもを持つか、今すぐ結論は出せない」と複雑な思いを抱く。【寺町六花】
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