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囲碁・一力本因坊「応氏杯」で初優勝 主要国際戦で日本勢19年ぶり

毎日新聞 / 2024年9月8日 19時31分

第10回応氏杯決勝五番勝負第3局で謝科九段(右)との対局に臨む一力遼本因坊=日本棋院提供

 囲碁の国際棋戦「第10回応氏(おうし)杯世界選手権」五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、一力遼本因坊(27)が謝科九段(24)に黒番中押し勝ちし、3連勝のストレートで初優勝を飾った。主要な世界戦で日本勢が優勝したのは、2005年のLG杯の張栩九段以来で19年ぶり。

 終局後、一力本因坊はオンラインで記者会見し、「今日の碁は苦しい時間帯が長かったので、最後に勝ってホッとした気持ちとうれしい気持ちでいっぱいです。(世界一になって)やっとこれからという感じです」と話した。

 応氏杯は1988年に創設された国際棋戦で、4年に1度開催。今大会は、日本や中国、韓国、台湾などの棋士58人が参加した。一力本因坊は本戦1、2回戦で中国代表の棋士を破り、世界チャンピオンの経験を持つ柯潔九段(中国)との準決勝三番勝負に進出。第1局に敗れたが、第2、3局に勝ち、2勝1敗として決勝五番勝負出場を決めた。

 決勝は8月に開幕。第1局は大接戦の末、1目差で勝利。第2局は中盤の難解な局面での読み合いを制して快勝していた。

 一力本因坊は仙台市出身で、2010年プロ入り。20年に初の7大タイトルの碁聖を獲得。22年に棋聖、23年に本因坊と天元を獲得して初の3冠となる。24年に棋聖3連覇、本因坊2連覇を達成して現在も3冠を堅持。河北新報社の一力雅彦社長の長男で、同社取締役も兼務している。【武内亮】

師匠の宋光復九段の話

 一力3冠おめでとうございます。泣き虫だった少年の夢がかないました。

 学業、経営との両立の中で多くの試練を乗り越えての世界一、正に立派です。また二刀流では世界タイトルは取れないという多くの評価を覆す快挙でもあります。

 入門以来19年、常に走り続ける毎日の中でこれを機に師匠としては少し休みを取ってほしいと思うところですが、3冠のことですからこれからも同じように今まで以上に全速力で走り続けることでしょう。どうか体調には気をつけながら更なる活躍を期待しています。

日本棋院ナショナルチーム監督の高尾紳路九段の話

 一力遼棋聖(本因坊)、世界一おめでとうございます。ナショナルチームで先頭に立って、日本の棋士を引っ張る姿にいつも感銘を受けています。これからも若い棋士の良い目標でいてください。

日本棋院の武宮陽光理事長の話

 決勝五番勝負で2連勝した後のプレッシャーはこれまでにないほど大きなものであったと思います。重圧の中、また、名人戦挑戦手合を戦う過密日程の中で偉業を達成されたことに、心から称賛の意を表します。

 日本棋院創立100周年の記念すべき節目の年に、ファンの悲願であった国際棋戦優勝を成し遂げられたことは大変感慨深く、これまで囲碁界を支えてくださった多くの皆様に良い報告ができましたことを大変うれしく思います。

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