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NHKラジオ国際放送問題 会長の報酬50%返納、担当理事が辞任

毎日新聞 / 2024年9月10日 18時42分

記者会見で頭を下げるNHKの稲葉延雄会長(中央)ら=東京都渋谷区のNHK放送センターで2024年9月10日午後6時1分、手塚耕一郎撮影

 NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで、中国籍の外部スタッフの男性が沖縄県・尖閣諸島について「中国の領土」などと発言した問題で、NHKは10日、記者会見を開き、国際放送担当の傍田賢治(そばたけんじ)理事が責任を取って同日付で辞任すると発表した。役員報酬50%を1カ月自主返納することを明らかにした稲葉延雄会長は「放送法で定められた担うべき責務を果たせなかったという極めて深刻な事態」で、「会長として慚愧(ざんき)に堪えない思い」と謝罪した。

 公表された調査報告書では、中国人スタッフが原稿を読むことに抵抗するなど、事前の兆候があったにもかかわらず対処できなかったことを挙げ、問題の背景に「NHKの危機意識の乏しさがあった」とした。

 問題の発言があったのは、8月19日午後1時過ぎに生放送された同局のラジオ国際放送などの中国語ニュース。原稿を読んでいた中国人スタッフの男性が、尖閣諸島を「中国の領土である」と述べるなど、ニュース原稿にはない不適切な発言を計約27秒間続けた。

 報告書によると、同日午前11時前、「靖国神社の石の柱に落書き」というニュースを翻訳していた中国人スタッフが、柱に書かれていた文字について日本語原稿の内容への不満をきっかけに怒り始め、「NHKの原稿はあいまいで、あいまいなものをそのまま翻訳して中国語で放送したら、個人に危害が及ぶ」などと声を荒らげたという。スタッフの一部から読み手の交代も提案されたが、そのまま放送に入っていた。中国人スタッフは中国当局の反応への不安や懸念を当時のデスクに伝えたこともあったという。

 NHKは再発防止策として、すでに生放送を事前収録に切り替えており、今後は早期に「AI音声」による読み上げを導入する。

 報酬の自主返納は稲葉会長のほか、井上樹彦副会長、山名啓雄専務理事、中嶋太一理事の3人と、中国人スタッフと委託契約していた関連会社の幹部2人。天川恵美子・国際放送局長を減給としたほか、同局職員4人を懲戒処分にした。【井上知大】

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