もともと好待遇のはずでは… 教員給与を上げる切実な理由
毎日新聞 / 2024年9月13日 11時0分
近い将来、公立学校教員の給与が上がります。教員はもともと好待遇と言われていますが、それは本当なのでしょうか。そして、なぜいま上げる必要があるのでしょうか。背景と理由を整理しました。【斎藤文太郎】
残業代代わりの教職調整額を増加
Q 学校の先生の給与が上がるって聞いたよ。
A 文部科学省は2026年1月から、公立学校の教員に残業代を支払わない代わりに給料月額の一定割合を上乗せする「教職調整額」について支給割合を引き上げる予定です。また、管理職の基本給・手当や学級担任の手当も増額する方針です。
Q どれくらい上がるの?
A 文科省は教職調整額は現行の4%から3倍以上の13%に増やしたい考えです。40年以上前の教員給与は一般の公務員に比べ7%以上優遇されており、文科省は当時より大きな優遇分の確保を目指しています。実現すれば、月給30万円の教員の場合、教職調整額は1万2000円から3万9000円になります。ただ、予算はまだ確保できておらず、見込み通りに増やせるかは今後の財務省との交渉次第です。
処遇改善で人材引き留め
Q なんで給与を上げるのかな。
A 質の高い人材の確保が目的です。教員は多様化する子どもたちや保護者への対応、部活動などで忙しいです。長時間労働が常態化し、採用試験の倍率も低迷しています。少しでも待遇を良くし、民間や一般公務員に流れる人材を引き留めようというのが文科省の狙いです。
Q 良い先生が集まらないと、子どもにも影響が出そうだね。
A 教員らの労働組合による調査には、教員不足でクラスがざわつくようになったり、安全管理に集中し授業が二の次になったりする、という声も寄せられました。待遇改善だけで人材が集まるかは分かりませんし、現職教員からは「給与を上げたら今まで以上に残業を求められるのでは」という懸念の声もあります。文科省は働き方改革や学校現場の人員増といった負担軽減策も一体的に進めることにしています。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
毎月“80時間以上”残業する教員たち。文科省の「50年ぶり給与上乗せ」も根本的解決にならない理由
日刊SPA! / 2024年9月13日 8時52分
-
中教審、教職調整額引き上げ答申 処遇改善策、残業時間減も
共同通信 / 2024年8月27日 18時40分
-
私立学校教員も処遇改善へ 文科省、補助金3%増方針
共同通信 / 2024年8月23日 16時41分
-
橋下徹氏 文科省の教員給与上乗せ案にダメ出し「残業代を払う方がいい」「生産性上がらない」
東スポWEB / 2024年8月22日 22時5分
-
教員給与上乗せ、3倍超案 月額13%、文科省概算要求
共同通信 / 2024年8月21日 21時48分
ランキング
-
1マイナ免許証への切り替えは任意、有効期間などの情報を内蔵チップに記録…過去の違反歴は記録されず
読売新聞 / 2024年9月13日 7時0分
-
2交番に砲弾1個を持って男性が訪問、自衛隊の回収まで国道で交通規制…自宅での遺品整理の際に発見
読売新聞 / 2024年9月13日 7時25分
-
3住民票の写し取得で市役所訪れると…「知らないうちに離婚届」発覚、偽造容疑で60歳の夫逮捕
読売新聞 / 2024年9月12日 23時45分
-
4旭川中2女子凍死、「いじめ被害が原因の自殺」とする再調査委員会の最終報告書を公表
読売新聞 / 2024年9月13日 12時50分
-
5だから「辞職コール」でも絶対に辞めない…斎藤元彦氏のような「お殿様知事」を大量輩出する地方の根深い問題
プレジデントオンライン / 2024年9月12日 21時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください