市内唯一の産婦人科、25年に出産取り扱いを停止へ 三重・名張
毎日新聞 / 2024年9月11日 12時53分
三重県名張市内で唯一、出産が可能な医療機関「武田産婦人科」(同市鴻之台1、14床)が2025年1月15日で、出産の取り扱いを停止する。出生数の減少に伴い、23年の同診療所での出産は213件と、約20年間で半数以下まで減ったという。武田守弘院長(70)は「続けたいが、出産件数の減少による経営への影響と、私が体調を崩したことが重なり、停止を決めた」と話す。市は「市内での出産継続」を目指し、三重大や県と協議している。
取り扱い件数の減少で経営難に
武田産婦人科は、1993年に開業した。市によると、約10年前、他の産科の撤退で市内唯一の出産可能な医療機関になった。産科は24時間体制で、リスクを伴う対応が必要だが、武田院長は「大変でも、産声を聞くと生き返る。赤ちゃんからパワーを、家族の言葉で喜びをもらえる」とやりがいを語る。現在は武田院長と次女(25年2月まで育休)、長男の医師3人体制で運営し、8月に出産受け入れ停止をホームページに掲載した。妊婦・産後健診や婦人科診療は続ける。
市内の年間出生数は、2000年代では02年の741人が最多。次第に減少し、23年は367人。同診療所によると、06年以降の出産は300件台が続き、18年以降は200件台まで減った。同診療所は「年間240件が安定経営を続けるための水準で、体力が持たなかった」としている。約20年前に同診療所で出産した市内の女性(54)は「夜中の出産に対応してくれた。夫が市外で働いており、近くで出産できてよかった。出産の停止はショック」と語った。
名張市長「対策急ぐ」
北川裕之市長は10日の市議会一般質問の答弁で、「市にとって大きなダメージとなる。(来年1月以降に出産を予定する人などへの)短期的な対応と、市内で出産可能な環境を作る中期的な対応を早急にとりたい」と述べた。また、毎日新聞などの取材に対し、「産科継続の可能性を探りたい」として、三重大に医師派遣を求めて協議することを明らかにした。「財政出動が伴っても必要。地域医療を守るため、市レベルではできないところを県、国に求めたい」と話した。【久木田照子】
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