人口減の町ににぎわいを 西日本豪雨被災の古民家で雑貨屋開店
毎日新聞 / 2024年9月11日 19時53分
2018年7月の西日本豪雨で被害を受けた広島県東広島市安芸津町の古民家で11日、雑貨屋「にじいろ商店in安芸津」がオープンした。店主の槌橋(つちはし)純子さん(35)=同市西条町=が、人口減で空き家が増えるなどしている町のにぎわいにつなげたいという思いで住民から場所を借りて開業した。
ハンドメード作家として活動している槌橋さんは、市内外で雑貨販売なども手がけている。21年春以降、同市安芸津町で年に2回開かれている西日本豪雨の復興イベント「あきつマーケット」に自身の作品を出展している。
槌橋さんは昨年から雑貨販売をする店舗を探していた際、同マーケット実行委員長の本田緑さん(64)から夫秀男さん(66)の生家が空き家となっているので利用しないかと声を掛けられた。
西日本豪雨で同市も大きな被害を受けており、災害関連死を含めて20人が亡くなり、計1489棟の建物が被災した。災害の影響で秀男さんの父が一人で住んでいた古民家も、1階部分が床上浸水する被害を受けた。その後、ボランティアの協力で泥をかき出すなどして住める状態に戻ったが23年5月に父が97歳で亡くなり、空き家となっていた。
古民家は築約100年の木造2階建て。店内には県内外のハンドメード作家約40人が手がけた子ども服やベビースタイ、アクセサリーなどの商品が並ぶ。
この日はオープンと同時に多くの住民たちでにぎわった。2歳の娘と来店した魚原梨紗さん(33)=同市安芸津町=は「子ども向けのかわいい商品が充実していて良かった」と笑顔を見せた。会社員の尾首隆博さん(56)=同=は「年々人口が減っている中、新しいお店が出きてうれしい」と喜んだ。
店は月3~4日の営業を予定している。槌橋さんは「雑貨の魅力を伝えるとともに、多くの住民たちと交流を深められる場所を作りたい」と話した。問い合わせは槌橋さん(080・3880・3042)。【井村陸】
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