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「紀州のドン・ファン」殺人事件 被告は無罪主張 和歌山地裁初公判

毎日新聞 / 2024年9月12日 10時51分

和歌山地裁、和歌山家裁、和歌山簡裁が入る庁舎=竹内望撮影

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)が6年前に急死した事件で、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われている元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が12日午前、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で始まった。被告は「私は殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません」と無罪を主張した。

 起訴状によると、被告は2018年5月24日、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。2人は3カ月前に結婚したばかりだった。

 野崎さんは事件当日の午後10時半ごろ、自宅2階寝室でぐったりしているのを被告と家政婦の女性に発見された。解剖の結果、血液や胃の内容物から多量の覚醒剤成分を検出。和歌山県警は野崎さんが覚醒剤を常用していた形跡がないことから、何者かに飲まされたとみて捜査を始めた。

 県警は事件当日に家政婦が一時外出し、被告が野崎さんと2人きりになる時間帯があったことを確認。死亡から約3年後の21年4月、被告を逮捕した。被告のスマートフォンの解析では覚醒剤の入手方法や殺害方法を検索した履歴のほか、密売人とみられる人物と接触した形跡も残っていたとされる。

 被告は捜査段階で黙秘を続け、目撃証言などの直接証拠は明らかになっていない。検察側は公判で、複数の状況証拠を積み重ねることで被告以外に関与した人物はいないとして有罪を立証する。これに対し、弁護側は起訴内容を全面的に否認し、「犯人性」が最大の争点になる見通しだ。

 一方、野崎さんが覚醒剤を摂取させられた詳しい経緯のほか、被告の動機などが明らかになるかが焦点となる。11月に予定されている被告人質問で被告が何を語るかにも注目が集まる。

 21年5月の起訴以降、証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きが長引いたことで、初公判までに3年以上がかかった。公判は11月18日まで計22回の審理が予定され、計28人の証人が出廷する見込み。判決は12月12日に言い渡される。

 野崎さんは複数の会社を経営していた。生前には欧州の伝説上のプレーボーイになぞらえた著作「紀州のドン・ファン」を発表。多数の女性と関係を持ったことをつづり、耳目を集めていた。少なくとも13億円に上る遺産を巡り、民事裁判にもなっている。【藤木俊治、安西李姫、木島諒子】

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