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演劇界の「芥川賞」受賞の池田亮さん 最新作「球体の球体」上演へ

毎日新聞 / 2024年9月11日 22時17分

池田亮さん=濱田元子撮影

 演劇界の「芥川賞」ともいわれる岸田國士戯曲賞を今年受賞し、ますます注目が高まる劇作家・演出家・俳優・造形作家の池田亮(ゆうめい所属)。最新作の舞台「球体の球体」で、作・演出・美術も手掛けるというから、いやが応でも期待値は上がる。

 「気負ったりとかはそんなにしてはいないんですけど」と言う池田。「今回も美術をやらせていただけるので、その責任は強く感じます。賞をとったからには、よりいいものを見ていただきたいし、とったからといって同じ場所にとどまらず、どんどん演劇でしかできないものをやりたい」と意気込む。

 「球体の球体」は、コンセプトアートが話題となり、ある独裁国家に招待された現代アーティストの本島(新原泰佑)を待ち受ける数奇な人生のストーリー。キーワードとなるのは「ガチャ」だ。タイトルにも関連するカプセルトイの「ガチャガチャ」から、これまでの作品でも扱ってきた「親ガチャ/子ガチャ」と言われる「格差」の問題など現代社会が透けて見えてくる。

 「ガチャガチャって子どもらしいおもちゃだけど、一方で、子どもがあきらめちゃうような残酷な言葉がはやっているっていうのを、無視せずに書きたい。ある種、寓話(ぐうわ)的な、現実みたいだけど非現実的という感じです」

 なぜ今回、「ガチャガチャ」なのか、という理由も面白い。コロナ禍でステイホームとなった時に、「どうしたら人とつながれるか」と思ってハンドメードで作ったのが、水道栓のハンドルを指輪にしたカプセルトイ「クリスタルハンドルの水栓リング」だった。「指が蛇口に見えるように考えて、発信しました。カプセルトイを通じて、一度も海外に行ったことがないのに、自分の手のひらの上だけだと思っていた世界が広がった。それがまた、演劇に返ってくるという感じです」

 東京芸大大学院では彫刻を専攻。今回も美術に力が入る。「見せ方、空間から工夫したいと思っています。素材って、演劇と親和性があると思っていて、舞台の上では立派な壁に見えるけど、発泡スチロールだったりする。こういうものだと思っていたら、実は中身は違う。それだけでめちゃくちゃ演劇ではないかって思います」

 出演はほかに、相島一之、小栗基裕、前原瑞樹。

 9月14~29日、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで。梅田芸術劇場主催。詳細は公式ホームページ(https://www.umegei.com/kyutai-no-kyutai/)。【濱田元子】

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