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就職氷河期で運転士断念、ミニSL機関士に 自作車両に子ども乗せ快走

毎日新聞 / 2024年9月18日 8時15分

楽しそうな子どもたちを後ろに乗せ、運転する野田智之さん(左)=福岡市東区で2024年9月15日午後2時57分、山口響撮影

 福岡市東区の筥崎宮(はこざきぐう)の放生会(ほうじょうや)に合わせ、JR箱崎駅前を中心に開かれているイベント「ハコフェス」で15日、ミニSLが快走した。機関士は同区の会社員でミニSL愛好家、野田智之さん(49)。就職氷河期世代で志望先の鉄道会社が採用を抑制していて運転士になることは断念したが、今は趣味という形で夢をかなえている。

 4両編成(客車2両で5、6人乗り)のミニSLは蒸気機関で動き、出発時はピィーと汽笛を鳴らし、煙突からは煙も噴く。親子連れらが1周約40メートルの鉄路を2周する小旅行を満喫していた。

 運転席に座る野田さんは会社の同僚から影響を受け、元々好きだった鉄道への思いが再燃した。子供2人がいる中、「どうしてもほしい」と妻亜紗子さん(41)を拝み倒し、2016年にミニSLの組み立てキットを約100万円で購入。半年ほどかけて運転技術を磨いた。この日の晴れ舞台でも真剣な表情で、蒸気の圧力を見ながら給水や給炭をしていた。

 乗車した同区の坂田叡志朗ちゃん(3)は「いっぱい良かった」と笑顔。母梓さん(30)も「石炭をくべたりするのが斬新だった。速くて迫力もありました」と喜んでいた。

 野田さんは子供たちの姿を見ながら「ミニSLから降りた後にみんなから『ありがとう』と言ってもらえる。人生の喜びです」と笑顔だった。【山口響】

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