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東海道新幹線60年記念ロゴ 「ドキドキ感運んだ人の歴史」描く

毎日新聞 / 2024年9月30日 17時2分

絵本作家の鈴木のりたけさんが描いた東海道新幹線60周年ロゴマーク=JR東海提供

 東海道新幹線の開業60周年を記念したロゴマークをデザインしたのは、元JR東海社員で絵本作家の鈴木のりたけさん(49)だ。「喜びや悲しみ、ドキドキ感を運んだ人の歴史」に思いをはせて描いたという。

 鈴木さんにロゴマーク制作の依頼があったのは昨年10月だった。「人を描いた親しみのあるデザインで60年間を支えた人たちに感謝の気持ちを伝えたい」というJR東海側の思いに共感したという。

 浜松市出身。大学卒業後、「人が集まる場所で面白いことをしたい」とJR東海に入社した。総合職の駅ビル関係の仕事に就いたが、「より自分の手で作り上げるような仕事がしたい」と入社の約2年後、広告デザイン事務所のグラフィックデザイナーに転職した。仕事の傍ら、好きなイラストを描き、文章を添えて絵本を作った。やがて編集者の目に留まり、専業の絵本作家になった。

 鈴木さんが刊行した絵本「しごとへの道」(2023年、ブロンズ新社)にはパン職人、獣医師など、さまざまな職業が優しいタッチで紹介されている。その中の一つが新幹線運転士だった。「鈴木さんの世界観でロゴマークを作ってほしい」。この絵本を見たJR東海の担当者から声がかかり、約四半世紀ぶりに「古巣」の仕事に携わることになった。鈴木さんは「巡り合わせに感謝」と話す。

 ロゴマークでは、敬礼している指を輪にした「6」を描いた。大切にしたのは人の思い。「車両は無機質なものではあるけれど、そこには喜びや悲しみ、ドキドキ感を運んだ人の歴史がある。人間を描きたかった」と振り返る。

 「6」の向こうに見えるのは新幹線の未来だ。鈴木さんは「技術が高度化しても、加速や減速は運転士が積み上げた経験則で支えられている。人間で言うと還暦。人と人が触れ合う乗り物であり続け、新幹線がハートウオーミングな場所であってほしい」とエールを送る。【真貝恒平】

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