「捜査は適正」と謝罪拒否 「大川原」冤罪控訴審、取調官が証人出廷
毎日新聞 / 2024年10月9日 13時33分
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件を巡る国賠訴訟の控訴審第2回口頭弁論が9日、東京高裁で開かれ、元顧問の相嶋静夫さん(享年72)を取り調べた警視庁の男性警部が証人として出廷した。
相嶋さんは被告の立場のまま病気で死亡した。警部は「亡くなったことはお悔やみ申し上げたいが、捜査自体は適正だった」と述べた。
事件では、大川原正明社長(75)と相嶋さんら3人は軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われ、2020年3月に警視庁公安部と東京地検に逮捕・起訴されたが、21年7月に起訴が取り消された。
社長らは東京都と国に賠償を求めている。
相嶋さんは東京拘置所に勾留されていた20年9月に体調を崩し、胃がんと診断され、保釈が認められないまま21年2月に亡くなった。
訴訟では、捜査当局が、大川原化工機の装置が輸出規制品に当たるかを確認する温度実験を尽くしたかどうかが争点となっている。
1審判決は、相嶋さんらが取り調べで「装置内に温度が上がりにくい箇所がある」と訴えたのに、公安部が温度を測る再実験をしなかったとして捜査を違法とした。
警部は証人尋問で、「相嶋さんが温度が低い箇所があると指摘したことはない」と述べ、捜査が適正だったと主張した。
原告の一人となっている相嶋さんの長男(50)も警部に直接質問。一連の起訴取り消しを踏まえ、遺族に謝罪の意思があるかどうかを尋ねたが、警部は「謝罪はありません」と答えた。【遠藤浩二、春増翔太】
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