「大川原」冤罪訴訟、証人の警部補が捜査批判 現職3人目の異例事態
毎日新聞 / 2024年10月9日 16時23分
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件を巡り、社長らが東京都と国に賠償を求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が9日、東京高裁で開かれ、証人として出廷した警視庁の男性警部補が「捜査に問題があった」と証言した。
警部補は「立件するような理由はなかった」「決定権を持つ人の欲」「マイナス証拠を無視した」とも語った。
大川原化工機の事件では、1審・東京地裁の審理で別の警部補2人が「(事件は)捏造(ねつぞう)だと思う」「立件しなければいけないような客観的事実はなかった」などと証言した。
公の場で捜査を批判した警視庁の現職警察官はこれで3人目となり、極めて異例の事態となった。
事件では、大川原正明社長(75)ら3人は軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われ、2020年3月に、警視庁公安部に逮捕、東京地検に起訴されたが、21年7月に起訴が取り消された。
1審・東京地裁判決(23年12月)は捜査の違法性を認め、国と都に約1億6000万円の賠償を命じたが、双方が控訴していた。
控訴審で会社側は、公安部が経済産業省の輸出規制省令を独自解釈して、大川原化工機の装置が輸出規制の対象になるとみなし、立件に踏み切ったと主張。公安部が経産省に不当な働きかけをしたとして、公安部と経産省の打ち合わせが記載されているメモを証拠提出している。
9日の尋問で捜査批判をした警部補は、事件着手前の公安部と経産省の打ち合わせに同席していた。
【遠藤浩二】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「大川原化工機」えん罪事件 立件理由は「決定権持っている人の欲」
日テレNEWS NNN / 2024年10月9日 19時23分
-
警視庁元公安部員「捜査に問題」 大川原化工機事件、東京高裁
共同通信 / 2024年10月9日 19時6分
-
警官「捜査に問題」と証言=大川原化工機の起訴取り消し―賠償訴訟控訴審・東京高裁
時事通信 / 2024年10月9日 18時2分
-
「捜査は適正」と謝罪拒否 「大川原」冤罪控訴審、取調官が証人出廷
毎日新聞 / 2024年10月9日 13時33分
-
大川原化工機の国賠訴訟控訴審 9日に取り調べ立ち会いの警察官らを証人尋問
産経ニュース / 2024年10月7日 21時52分
ランキング
-
1衆院解散、27日投開票=「政治の信頼回復」争点―与野党、短期決戦へ突入
時事通信 / 2024年10月9日 18時53分
-
2船橋市で2人組の強盗、夫婦に暴行し900万円奪う…玄関の鍵を壊し侵入か
読売新聞 / 2024年10月9日 15時6分
-
3「水原一平と同じ重度のギャンブル依存症」元ジャンポケ・斉藤慎二(41)“契約解除"の本当の理由「性加害事件だけではない、借金トラブルも…」
文春オンライン / 2024年10月9日 16時0分
-
4紅麹サプリ問題で国内初の「被害救済弁護団」が発足 「小林製薬の対応遅い」と批判
産経ニュース / 2024年10月9日 17時20分
-
5「捜査は適正」と謝罪拒否 「大川原」冤罪控訴審、取調官が証人出廷
毎日新聞 / 2024年10月9日 13時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください