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「受賞は平和への一歩」福岡の被爆者ら喜びの声 ノーベル平和賞

毎日新聞 / 2024年10月11日 21時24分

ノーベル賞のメダル=2012年12月(代表撮影)

 被団協のノーベル平和賞受賞決定を受け、福岡や佐賀で証言活動を続ける被爆者らからも喜びの声が上がった。

 「まさか受賞するなんてと驚いた」。そう興奮して語ったのは福岡市原爆被害者の会事務局長の柴崎二也(つぎや)さん(78)。長崎で原爆に遭った母親の胎内で被爆し「核兵器廃絶を前面に出して活動してきたが、今までやってきた活動が実った。少しでも世界が核兵器廃絶について考え、実現に向かってほしい」と話した。

 会のメンバーで証言活動を続ける福岡市西区の開勇(ひらきいさむ)さん(86)は「ノーベル平和賞はこれから証言活動を続ける上で励みになる」と期待した。開さんは「原爆の被害を受けたのは日本だけ。日本が世界のトップに立って核廃絶を訴えないといけない」と強調。「あちこちで内戦や戦争が起きている。平和がいかに良いことか。地球から核兵器を無くすことが平和の始まりで、受賞はその一歩になる」と語った。

 長崎で被爆し、子どもたちに体験を語り継いできた福岡市南区の山口美代子さん(93)は「受賞のニュースが世界に広がり、被爆への関心が高まってほしい」と願う。「多くの友人が亡くなり、私が生きているのは『何かしろ』ということなのだと受け止め、小学校などで講演を続けてきた。今後も力になれることがあれば何でもしたい」と話した。

 「同じように訴えてきた被爆者や関係団体、支援者とも喜びを分かち合いたい」。1歳の時に長崎で被爆し、被団協の九州ブロック代表理事を務める中村国利さん(80)はそう語り、「長年、先輩たちが国際政治の舞台で核兵器の廃絶や非人道性を訴え、二度と同じようなことを繰り返してはいけないと証言してきたことが、受賞につながった」と喜んだ。その上で「核廃絶の後押しになってほしい。ノーベル平和賞を受賞したことを誇りに、被爆の実相をこれからも伝えていかなければ」と気持ちを新たにしていた。

 佐賀県被団協会長で佐賀市在住の被爆者、溝口直行さん(81)は「受賞は歴史的な快挙。心から喜びたい」と話す。高齢となった被爆者が相次いで死去する中、小学校で被爆写真展を開いたり、被爆者からの相談会を開いたりしてきたといい、「これを機会にまた頑張らないといけない」と話した。【河慧琳、山口響、森永亨】

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