「二度と被爆者を作らない」日本被団協事務局長、誓い新たに
毎日新聞 / 2024年10月12日 18時34分
ノーベル平和賞の受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市(すえいち)事務局長(84)が12日、自宅のある岐阜市内で記者会見した。木戸さんは「受賞を知って、原爆の被害に遭った方々の姿がまず目に浮かんだ。彼らに『二度と被爆者を作らない』との誓いを改めて伝えたい」と語った。
木戸さんは1940年、長崎市で生まれた。5歳の時、爆心地から約2キロ離れた自宅前で被爆した。69年から岐阜市内の短大で社会論や歴史論を教えつつ、91年に岐阜県原爆被爆者の会を結成。2017年に日本被団協事務局長に就任し、核兵器禁止条約の発効(21年)に尽くした。
被爆した時、爆風で20メートルほど吹き飛ばされ、顔をやけどした。「あと1メートル先に飛ばされていたら川に落ちて死んでいた」。焦土と化した町並みや、路上や川に転がった死体を見て「こんな事は決してあってはならない」と幼心に感じた。
木戸さんたちの願いとは裏腹に、被爆国の日本は核兵器禁止条約を批准していない。だが今回の受賞決定で「多くの市民が核兵器をなくすという方向に進んでいる」と自信を深めたといい、「(批准への)希望を持っている」と語った。
ウクライナや中東で紛争が続き、核兵器使用のリスクが高まる。次代を担う若者へのメッセージとして「核兵器が人類に何をもたらしたかなど事実をきちんと見極め、あなた方自身で話し合い、(核廃絶を)実現させて」と呼びかけた。【太田圭介】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「核被害もっと知るべき」、各国首脳に要請 ノーベル平和賞の被団協会見
ロイター / 2024年10月12日 20時17分
-
平和賞「最も良いタイミングだ」 被団協事務局長が記者会見
共同通信 / 2024年10月12日 19時23分
-
「うそみたい」頬つねり涙流す被団協の代表委員、長年の活動実りノーベル平和賞「満塁ホームラン打ったような気持ち」
読売新聞 / 2024年10月12日 7時5分
-
「夢が本物になった」「胸がいっぱい」 被団協の役員らから喜びの声
毎日新聞 / 2024年10月11日 22時53分
-
日本被団協にノーベル平和賞、核廃絶訴える活動を評価
ロイター / 2024年10月11日 20時16分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください