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朝鮮人労働者の遺構案内板設置 日本が佐渡金山の世界遺産登録で約束

毎日新聞 / 2024年10月18日 12時32分

旧相川拘置支所にあった「第1相愛寮」の跡を示す案内板=佐渡市相川新五郎町で2024年10月6日午後1時49分、中津川甫撮影

 新潟県佐渡市は、戦時中に佐渡鉱山(金山)で働いた朝鮮人労働者の独身寮跡地に新たに案内板を設置した。7月に「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録が決定した際、日本政府が朝鮮人労働者を含む鉱山の「全体の歴史」を、現場レベルで展示すると約束した一環だという。

 独身寮は金山に近い旧相川拘置支所にあった「第1相愛寮」(相川新五郎町)のほか、万照寺や無宿人の墓近くに建っていた「第3相愛寮」(相川諏訪町)と「第4相愛寮」(相川次助町)の3カ所。

 市によると、8月30日に日本語と英語で記した案内板を跡地に新設した。「戦時中、この寮に朝鮮半島出身の労働者が居住していたことがわかる記録が残されています」などと記載している。現在の案内板は仮設で、今年度中にさびに強い素材を使った正式な案内板を設置する方針だ。

 このほか朝鮮人労働者の家族寮「山之神社宅」(相川下山之神町)▽朝鮮人労働者の食事を作った「共同炊事場」(相川大工町)▽第3相愛寮近くの研修施設「金剛塾」(相川諏訪町など)――の跡地3カ所にも、案内板を今年度中に設ける予定だという。

 市の相川郷土博物館には朝鮮人労働者の過酷な労働環境を示す資料も展示されており、市は「正式な案内板には各跡地の場所が分かる地図も載せ、巡回しやすいようにしたい」(世界遺産推進課)としている。

 「佐渡島の金山」の世界遺産登録を巡っては、日本政府は登録範囲を16世紀末~19世紀半ばに限定して申請したが、韓国政府が朝鮮人労働者の強制労働があったとして第二次世界大戦期を含む「全体の歴史」の反映を要求。日本側は「国際法上、戦時中の徴用は強制労働に当たらない」との立場だが、世界遺産委員会決議の勧告に沿って朝鮮人労働者を含む「全体の歴史」を扱うと約束したことで、韓国側から登録への理解を得た経緯がある。

 また日本側は金山で犠牲になった朝鮮出身者を含む全ての労働者の追悼行事を毎年現地で実施するとし、今秋にも追悼式を開く方向で調整している。【中津川甫】

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