岸田前首相が街頭演説 火炎瓶事件への言及なし 厳重警備の態勢下
毎日新聞 / 2024年10月19日 13時45分
自民党の岸田文雄前首相は19日午後、大阪市内の2カ所で街頭演説した。岸田氏は「政治とカネ」の問題についておわびの言葉を述べ、経済や外交などについて語ったが、同日朝に自民党本部近くで火炎瓶が投げつけられた事件には言及しなかった。
岸田氏は首相だった2023年4月、衆院和歌山1区補選の応援演説で訪れた和歌山市内の漁港で、筒状の爆弾を投げつけられた。警察庁は要人警護について、聴衆との距離を十分に確保し、手荷物検査を一律実施するなどの対策を講じている。
19日午後、岸田氏は公明党前職の応援のため、大阪市内の神社で演説。街宣車から約20メートルの距離をおいて金属製の柵が設けられ、聴衆は外側に誘導された。演説の開始前には、危険物がないかどうか警察官が警察犬と調べ、岸田氏が立った車の上も防弾対応をするなど、厳重な警備態勢をとった。
大阪市内の駅前ロータリーでも岸田氏はマイクを握った。事前に聴衆の手荷物検査を実施し、警察官らが付近の道路にバリケードを築いて備えた。岸田氏は演説を終えると聴衆と握手を交わし、府外の別の会場へと移動した。
公明党の関係者によると、事前に警察と実地調査して、岸田氏と聴衆との距離を20メートル以上確保できることを確認しており、19日朝の事件によって、場所や警備態勢を変更する必要はなかったという。ある地方議員は「何事もなく終わってよかった。雨だったが岸田さんの声に足を止める人もいた。著名な人に来てもらう意義はある」と話した。【戸田紗友莉、斉藤朋恵、川地隆史】
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