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事業者「目隠し撤去、難しい」 "サウナ県"へ基準緩和も 山梨

毎日新聞 / 2024年10月22日 10時7分

FujiSaunaの二つのサウナ棟。外気浴エリアは森側(奥)に面しており、外に出たり窓を開けたりして、自然の中で外気浴が楽しめる=山梨県富士河口湖町で2024年9月8日午後3時22分、田中綾乃撮影

 自然の中で「ととのう」心地よさが魅力のアウトドアサウナ。その「聖地」を目指す山梨県は今夏、関連条例を改正し、これまでサウナを常設する施設に義務づけていた目隠し設備などの基準を緩和した。「利用者が景色を楽しめるように」という事業者らの要望に応えた形だが、「簡単には改装できない」と戸惑う声もある。【田中綾乃】

 「囲いは建物の一部で撤去は難しい。今は考えていない」。そう話すのは、富士河口湖町で2022年12月に開業したばかりの菊池俊一さん(46)だ。

 菊池さんが代表を務める「FujiSauna(フジサウナ)」は、コテージのような1棟貸しのサウナだ。2階建てと平屋の計2棟が林の中に建てられている。熱気に包まれた後、外気浴も楽しめるが、2階建ての1棟にあるウッドデッキは、高さ約1・5メートルの板塀で囲われている。改正前の条例に対応するため、外から見えないように設けた。客から「壁がないほうが良かった」と言われることがあるという。菊池さんは「改装には数十万円かかる。オープン前に(条例を)変えてほしかった」と打ち明ける。

 公衆浴場や宿泊施設に設けられるサウナは、法律などで施設基準が定められている。県は7月、公衆浴場法施行条例、旅館業法施行条例を改正。サウナの「浴室」で水着などを着用する場合、目隠しを設置しなくてもよいことになった。県は「目隠しがないことで自然との一体感が増し、サウナ好きから選ばれる聖地になれれば」と期待を込める。

 一方で、県によると、県内のサウナ提供施設(甲府市を除く)で、条例改正を受けて改装したのは9月20日現在、宿泊施設3カ所にとどまる。公衆浴場法が適用される日帰り客向けのサウナはゼロだった。検索サイト「サウナイキタイ」では、サウナがあるホテルや温泉は県内に約200軒表示される。県観光振興課は「改正条例が適用された設備ができたことは喜ばしい」としつつ「(各施設による)ハード整備が必要なため、数の多い少ないにコメントは難しい」と口を濁す。県内のサウナ施設の総数は把握していないという。

 県は、アウトドアサウナの「聖地」を目指し、2021年から官民連携のプロジェクトとして施設整備を促進してきた。目隠し撤去にかかる費用を補助する制度などは設けていない。

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