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文化功労者に文楽人形遣いの吉田和生さん 「師の教えを若い人に」

毎日新聞 / 2024年10月26日 8時45分

文化功労者に選ばれ、記者会見で師匠への感謝を語る吉田和生さん=大阪市中央区の国立文楽劇場で2024年10月23日午後1時0分、関雄輔撮影

 2024年度の文化功労者に人形浄瑠璃文楽の人形遣い、吉田和生(かずお)さん(77)が選ばれた。国立文楽劇場(大阪市中央区)で記者会見した和生さんは、師匠の吉田文雀(ぶんじゃく)さん(16年死去)への感謝とともに「教えていただいたことを若い人たちにつないでいきたい」と抱負を語った。

期せずして入った道

 愛媛県生まれ。高校卒業後、伝統工芸への興味から、文楽人形の首(かしら)を手掛けていた徳島の人形師、大江巳之助(みのすけ)さん(1997年死去)を訪ねたのが入門のきっかけとなった。文雀さんを紹介され、大阪で文楽を観劇。その日は文雀さんの自宅に泊めてもらい、翌日の朝食の席で「どうする?」の言葉に思わず「やります」と答えた。「一宿一飯の義理」と冗談めかして振り返る。

 期せずして入った文楽の道だが、続けてこられたのは「師匠のおかげ」。文雀さんは技術を磨くだけでなく、見聞を広めることを重視し、歌舞伎の公演などに和生さんをよく連れていった。「何も知らなかった僕をここまで育ててくれた」

幅広い芸域

 品格のある女方(おんながた)から、柔らかみのある立ち役(男役)まで、和生さんの芸域は広い。師匠からは「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡などの当たり役に加え、公演で使用する首を決める「首割(かしらわり)」の仕事も引き継いだ。演目や登場人物、約300ある首それぞれの深い知識が求められる重責だ。17年には人間国宝に認定された。

 師匠から受けた恩義は、そのまま後進への思いにつながっている。「途中で変えるなら『伝統芸能』ではない。師匠や先輩たちから学んだことを間違いなく伝えていくのが使命です」【関雄輔】

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