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大阪高検、地検特捜主任検事を捜査へ 元社長側提出の告発状受理

毎日新聞 / 2024年10月30日 18時35分

大阪高検、大阪地検、大阪区検が入る大阪中之島合同庁舎=大阪市福島区で、岩井香寿美撮影

 大阪地検特捜部が捜査し、不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)の無罪が確定した事件で、元社長側は30日、捜査を指揮した主任検事(52)に対する特別公務員暴行陵虐容疑などでの告発状が、大阪高検に受理されたと明らかにした。今後、高検が本格的に捜査することになる。

 山岸氏は学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件に関わったとして、2019年12月に逮捕された。大阪地裁は21年10月、山岸氏の元部下による証言の信用性を否定するなどして無罪を言い渡した。

 この問題では、捜査に関わった田渕大輔検事(52)が元部下への取り調べで「検察なめんなよ」と怒鳴るほか、机をたたく威圧的な言動を取っていたことが明らかになっている。主任検事にも問題があるとした山岸氏が告発状を高検に提出していた。

 山岸氏は告発状で、田渕検事の威圧的な取り調べについて「陵虐行為は偶発的とは言えず、捜査を指導する主任検事からの指示があった疑いがある」と主張。暴言などを容認していたとして、田渕検事と共謀関係にあるとした。

 そのうえで、捜査の過程で別の検事から「山岸氏の逮捕は待った方がいい」と進言を受けていたとして、「慎重に検討することなく逮捕を強行した」と指摘。特別公務員職権乱用罪に当たると訴えている。

 田渕検事についても山岸氏が刑事告発していたが、不起訴になっていた。山岸氏はこれを不服として、刑事裁判を開くよう求めることができる付審判請求を申し立て、大阪高裁が8月に認める決定を出した。今後、特別公務員暴行陵虐の罪で田渕検事の刑事裁判が開かれる。

 山岸氏は一連の捜査が違法だったとして、国に賠償を求める訴訟を起こしている。6月にあった証人尋問で主任検事は、田渕検事の元部下への取り調べについて、捜査の妥当性をチェックする総括審査検察官から報告を受けていたことを明らかにし、「(供述の)任意性に問題はないと考えている」と話していた。

 告発状の受理を受け、大阪地検の田中知子次席検事は「告発の内容について大阪地検では把握していないので、コメントは差し控えたい」としている。【木島諒子、土田暁彦】

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