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「もう一回食べたい」常連客の声 被災地で店を再開する原動力に

毎日新聞 / 2024年11月1日 19時44分

1日のプレオープンで料理を提供する板谷吉生さん(左)=石川県輪島市で2024年11月1日午後5時39分、国本ようこ撮影

 能登半島地震で被災した飲食店が出店する仮設のフードコート「NOTOMORI」が2日、石川県輪島市の「のと里山空港」駐車場にオープンする。

 石川県が国の補助を受けて整備した。同空港敷地には復興支援の事業者らが泊まる宿泊施設があり、食事場所として開業した。被災した飲食店のなりわい再建も目的とし、輪島市、志賀町、穴水町のカフェや食堂など6店舗が入った。約5年間は家賃無料。

 1日のプレオープンで客を出迎えた店主らは「新しい挑戦。復興支援の業者はもちろん、地元の人にも来てほしい」と意気込む。

     ◇    

 「10カ月ぶりに中華鍋を持って少し腕が痛い」。中華料理店「香華園」の店主、板谷吉生(いたたによしお)さん(48)はうれしそうに笑った。

 輪島市河井町にあった店は地震による大規模火災で全焼。「終わったな」と一時は気力を失ったが、片付けで焼け跡に通ううち、スープを煮込むずんどう鍋が見つかった。倉庫にあった予備で、ほぼ無傷。「店を続けろ」と背中を押された気がした。常連客からも「もう一回食べたい」との声が寄せられた。

 人の減った被災地での商売再開に迷いもあった。しかし5月ごろに出店の話を受け、「復興を頑張る皆と一緒に被災地を盛り上げたい」との思いが湧き上がった。鶏ガラや魚介類を数時間煮込んだスープをベースに、麺類や丼物などを提供する。「ここで足場を固め、また輪島に戻りたい」【国本ようこ】

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