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渡辺明九段に紫綬褒章 のぞかせた勝負師としての執念

毎日新聞 / 2024年11月2日 5時0分

記者会見終了後にポーズをとる将棋の渡辺明九段=東京都渋谷区で2024年11月1日、宮本明登撮影

 2024年秋の褒章受章者が2日付で発表され、紫綬褒章に選ばれた将棋棋士(九段)、渡辺明さん(40)が記者会見で喜びを語った。

 名人3期、王将5期、竜王11期などタイトル獲得数は歴代4位の31期を誇る。40歳での受章は、森内俊之九段の47歳を更新する将棋界最年少。「先輩方より若く受章する理由がほぼない。将棋を取り上げてもらう機会が増えて波に乗った結果なのかな」と戸惑いを見せつつ素直に喜んだ。

 15歳でプロ入りし、来年4月で棋士生活25年になる。印象に残る対局に、初タイトルを獲得した2004年の竜王戦や藤井聡太名人(22)と初めてタイトル戦で対戦した20年の棋聖戦などを挙げた。「10~20代はがむしゃらにやり、30代は追われる立場になりタイトルを守る戦いだった。年齢によってモチベーションは違うが、同じ熱量でやってこられた」と振り返った。

 40代になって万全のコンディションで臨めないことも増えた。七つのタイトルを持つ藤井名人からタイトルを奪還することへの思いを尋ねられると、「現実的には難しいが、完全に諦めてはいない」と明かし、勝負師としての執念をのぞかせた。【丸山進】

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